dz:ndd:msa
多系統委縮症 MSA
Tips
臨床分類
- 本邦で最も頻度の高い病型は MSA-C(旧称OPCA)
- 起立性低血圧や排尿障害など自律神経症候で初発するものは,シャイ・ドレーガー症候群 SDS
- その他,勃起障害(男性),呼吸障害,発汗障害が有名
診断基準
- 第二回 consensus criteria(2008)1)
- Definiteは病理
- Probable
- 孤発性で進行性かつ成人発症(30歳以降)の疾患で,自律神経障害2)に加えて,レボドパの効果に乏しいパーキンソニズムまたは小脳性運動失調を呈するもの.
- Possible
- probableに満たない自律神経障害(起立性低血圧,勃起不全,排尿障害,頻尿,尿意切迫)はいずれにも必要
- Possible MSA-P:急速進行性パーキンソニズム,レボドパ不応性,運動症状出現後 3 年以内の姿勢保持障害,小脳性運動失調,運動症状出現後 5 年以内の嚥下障害,MRI における被殻・中小脳脚・橋・小脳の萎縮,FDG-PET における被殻・脳幹・小脳の代謝低下
- Possible MSA-C:パーキンソニズム,MRI における被殻・中小脳脚・橋の萎縮,FDG-PET における被殻の代謝低下,SPECT または PET における黒質線条体系ドパミン作動性ニューロンの節前性脱神経所見
症状
- 進行期は呼吸障害が予後を大きく規定する
- 睡眠時の喘鳴 inspiratory sighs や無呼吸などの呼吸障害が致命的となるが,早期から単独で認められることもある
- 声帯外転麻痺および呼吸中枢障害(延髄縫線核セロトニン神経細胞の脱落)による呼吸不全が起きる
- 前者は気管切開で解決するが,後者があるため,気切後も突然死があり得ること説明が必要
- 中枢性にも閉塞性にもSASを起こす
- 予後予測にPSGが有用
- 排尿障害時は無理せず早期から間欠自己導尿を導入する方が良い
- 外尿道括約筋強調不全のため,内服治療は難しいことが多い
- 病理学的にオヌフ核が変性・脱落する
- EMGで外尿道・外肛門括約筋に神経原性変化を認める3)
- 本邦の指定難病4)
MRI所見
- MSA-C:中小脳脚高信号+萎縮(MCP sign),Hot cross bun sign
- MSA-P:鉄沈着による被殻外側部の直線上のT2高信号(SWIでより明確)
病理学
dz/ndd/msa.txt · 最終更新: 2022/11/19 by admin