dz:mbd:acp
無セルロプラスミン血症 ACP
- aceruloplasminemia
- 常染色体劣性遺伝(AR)形式の鉄代謝異常症
- NBIAの一種
- セルロプラスミン欠損あるいは機能不全により生じる
- 中枢神経(⇒不随意運動),膵臓(⇒糖尿病),肝臓,脾臓などを中心に多臓器に鉄が沈着する
- 3主徴候は以下
- 糖尿病(30代ごろに最も先行する)
- 網膜色素変性1)
- 中枢神経症状(小脳失調,不随意運動,しかめ面,ジストニア,振戦,舞踏運動またはパーキンソニズム,認知症,精神症状)
- 小球性低色素性貧血を80%以上で認める(鉄利用障害+銅欠乏)
- フェリチン高値,血清鉄低値
- 血清銅低値
- 血清セルロプラスミン値は測定感度以下(cf.ウィルソン病では低値)
- セルロプラスミン遺伝子解析で確定診断を行う
- 治療は鉄キレート薬,抗酸化療法
- 死亡時年齢は60歳代が多い
- 肝臓にも鉄が蓄積するが,機能障害はきたさない(cf.肝不全が重度となるウィルソン病と対照的)
- 腎障害も認めない(cf.腎不全を起こすウィルソン病と対照的)
- 本邦では指定難病2)
病態
- セルロプラスミン遺伝子の異常によりフェロオキシダーゼ3)の活性が低下し,Fe2+からFe3+への変換が障害される
- これにより鉄の細胞内貯蔵から血液中への移動が減少し,細胞内に鉄が過剰蓄積する
dz/mbd/acp.txt · 最終更新: 2022/10/07 by admin