pe:ne:sensory_test
感覚系の診察
診察の流れ
- まず問診で感覚異常を大まかに捉える(最重要)
- 感覚障害の種類
- 感覚鈍麻/脱失,痛覚鈍麻/脱失:外界の感覚刺激に対する反応が低下〜消失
- 感覚過敏,痛覚過敏:通常予想されるよりも強い反応を示す状態
- 異常感覚:自発的に生じる異常な自覚的感覚
- 錯感覚:外界から与えられた刺激とは異なって感じる他覚的感覚異常
- アロディニア:通常では痛みをきたさない刺激によって生じる痛み
- 感覚障害の分布:どの部位か?
- 感覚障害の程度:軽度,中等度,重度(脱失)
- 感覚障害を異なるモダリティごとに診察する
- 表在感覚,深部覚.網羅的に行うためには,臥位で診察する.
- 感覚障害の分布から病変部位を絞り込む
感覚障害のモダリティ
表在感覚 | 痛覚(脊髄視床路):爪楊枝・割って尖らせた舌圧子など |
---|---|
温度覚(脊髄視床路):冷えた音叉,試験管に入れた冷水・温水など | |
触覚(脊髄視床路+後索系):ティッシュなど | |
深部感覚 | 関節位置覚:閉眼で,足趾の両サイドからツマんで圧覚を生じさせず上下方向に動かす. 手指では pseudo athetosis(piano-playing finger)が有名 |
振動覚(後索系):C128音叉でまずは胸骨で確認.内果,腓骨頭,尺骨茎状突起など | |
複合感覚 | 皮膚書字覚:指先に算用数字をジェスチャーで書いて当ててもらう |
立体覚:閉眼した状態で,手の中に物体を入れ当ててもらう(消しゴム・ペン・コインなど) | |
2点識別覚,2点同時識別覚:消去現象 |
- 振動覚は加齢の影響が大きく,高齢者では若年者よりも低下していることに留意する
- 複合感覚の評価は以下が大前提となる.異常があれば大脳皮質(頭頂葉)障害を疑う
- 刺激部位の表在感覚の異常がないこと
- 認知機能・意識が正常であること
立位診察
- 以下を順に行い,深部感覚〜姿勢反射障害を網羅的に評価する
- 開眼起立
- 閉眼起立(Romberg試験)
- Mann試験:高齢者では正常者でも閉眼維持できないことが多い
- 片足立ち:筋力低下や失調を確認する
- Pull test:姿勢反射障害を確認する
pe/ne/sensory_test.txt · 最終更新: 2022/11/14 by admin