pe:ne:aphasia
失語症 aphasia
- 基本的に頭蓋内病変(優位半球)によって発症するものと考える
- 突然発症であれば脳血管障害を疑う
- 右利きでは約 95%, 左利きでは約 70%が, 左半球が優位半球
- 診察では以下を順に確認する
- 発語
- 物品呼称
- 復唱(単語・文章)
- 読み書き
失語症の分類
- 失名詞失語:錯語,失名詞のみで流暢に発話可能で復唱も理解もできる
- 失名詞失語+復唱困難が伝導失語
- 伝導失語:著明な⾳韻性錯語,失名詞と復唱困難をきたすが,それ以外は良好で書字も可能
- 超皮質性XX性失語:「復唱が正常」というだけ
名称 | 病変 | 発語 | 復唱 | 聴覚的理解 |
---|---|---|---|---|
失名詞失語 | 言語野の小病変 | 流暢 | ○ | ○ |
伝導失語 | 左皮質下弓状束,島,縁上回 | 流暢 | X | ○ |
Wernicke失語 | 上側頭回後側 Wernicke野 | 流暢 | X | X |
超皮質性感覚性失語 | 側頭頭頂皮質 ※Wernicke回避 | 流暢 | ○ | X |
Broca失語 | 前頭葉 Broca野 | 非流暢 | X | ○ |
超皮質性運動性失語 | 前頭皮質 ※Broca回避 | 非流暢 | ○ | ○ |
錯語の分類
意味性錯誤(語性錯語) | 言いたい単語と異なる単語を話してしまう症状. 例:『みかん』を『りんご』,『つくえ』を 『いす』と話してしまう等 |
音韻性錯誤 | りんご → りんが。 つくえ → つきえ |
純粋失読 pure dyslexia
- 純粋失読 pure dyslexia:優位半球(左)の後頭葉後部や脳梁膨大部の病変で起きる
- 指示された通りに書字可能だが,少しして自分の書いた字を読んでもらうと読めない
- しかしその文字をなぞってもらうなど運動性に補助を加えると読める(運動覚性促通)
- 失書に伴う失読もあるが,これは失書が主体であってそれに伴う症候と考える(左角回)
- Gerstmann症候群などで認める
参考
- 櫻井靖久:非失語性失読および失耆の局在診断. 臨床神経2011;51:567-575
pe/ne/aphasia.txt · 最終更新: 2022/11/15 by admin