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pe:ne:bulbar_palsy

球麻痺と仮性球麻痺

  • IX,X神経核は,延髄より上(核上)で両側支配となっていることがポイント
    • そのため片側大脳の「脳」梗塞で嚥下障害が出ることは原則ない(額の皺寄せと同じ)
      • 加齢性の咽頭筋力低下や咬筋筋力低下,など複合的な背景には注意(高齢者)
    • 構音障害は口輪筋や笑筋などの表情筋その他の要因によっても起きるため,片側大脳の「脳」梗塞でも容易に顕在化する
  • 脳神経の診察で重要.
    • 脳卒中診療では「ふつうの脳梗塞で嚥下障害は起きない」ということをまず念頭におく
      • 嚥下障害が強烈に出ている場合,普通の脳梗塞ではない(=両側病変ないし延髄障害)

ポイント

  • 球麻痺は延髄で「IX,Xの核そのもの」を障害するため,核下性に片側性のノドの麻痺を起こす
    • つまり回旋嚥下などの理学的な工夫余地がある(STリハビリが有効)
  • 仮性球麻痺は,両側の皮質延髄路が障害されたとき(2 attack目で),いきなり両側性のノドの麻痺を起こす
    • 初回の片側大脳病変では発症しない
/ 球麻痺 仮性球麻痺
病変 延髄の片側障害 延髄より上の両側障害(皮質延髄路)
核との関連 核下性 核上性
発症 1 attack 2 attack
嚥下障害 片側(患側) ⇒ 回旋嚥下が有効 両側
カーテン徴候 出現する 出現しない
軟口蓋反射 正常 減弱〜消失
構音障害の特徴 鼻声 緩徐,不明瞭(痙性)

ALSでの症状

  • ALSは下位運動ニューロンも上位運動ニューロンも障害する
    • LMN徴候(核下性):舌萎縮・舌 fasciculation
    • UMN徴候(核上性):強制泣き笑い,下顎反射亢進
/LMNUMN
萎縮・fasciculation /
下顎反射1) 減弱〜消失 亢進(上位ニューロンの錐体路障害)
強制泣き笑い 無関係 あり(皮質〜錐体路障害)
1)
これ自体は三叉神経が遠心路
pe/ne/bulbar_palsy.txt · 最終更新: 2022/11/04 by admin

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