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pe:ne:beevor

Beevor's sign

  • 仰臥位にした患者に頭部を挙上させると臍が上方に移動する現象
    • Charles Edward Beevor(1854~1908)によって記載された
  • Th10 胸髄病変で腹直筋の下半部に脱力が起こるためにみられるとされる
    • そのため胸髄病変における局所診断的価値がある
  • なお実際には腹壁筋が正常に収縮するどの方向へも臍は動き得る
    • 下がるパターンもあり,inverted Beevor's sign とも呼ばれる
  • あらゆる疾患で報告があるが,特に FSHD との関連が着目されている1)2)
健常人においては,座位をとろうとする動きの際には臍の位置は変わらない.しかし下位脊髄,あるいはそこからの神経の病変のために臍より下方の腹直筋に麻痺が起これば,正常な上部の腹直筋は臍を上方へ引き上げ,ときには 1 インチ も移動することがある.臍のレベルの腹壁は第10 胸髄神経根によって支配されているので,座位をとるという動作の際に臍が著明に上方に挙上する場合には,第 10 と第 12 胸髄の間か,そこより出る脊髄神経根の病変を示すことになる

──引用 3)

1)
Beevor’s lasting contributions to neurology: More than just a sign. Neurology 90:513‒517, 2018
2)
Significance of Beevor’s sign in facioscapulohumeral dystrophy and other neuro- muscular diseases. J Neurol Neurosurg Psychiatry 76:869‒870, 2005
3)
脊椎脊髄 32 (1):63‒67,2019
pe/ne/beevor.txt · 最終更新: 2022/09/27 by admin

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