内科のメモ帳

ずぼらな覚え書き

ユーザ用ツール

サイト用ツール


pe:ne:muscle_tone

筋緊張 Muscle Tone

  • 筋強剛 rigidity,痙縮 spasticity,間代 clonus,筋緊張低下の有無について観察する
  • 被検者の関節を検者が他動する
    • 手関節の屈曲・伸展
    • 前腕回内・回外
    • 肘関節の屈曲・伸展
    • 力を抜いて自然な立位となってもらい,両肩を掴んで肩関節の内旋,外旋を激しく揺らす
    • 膝関節,足関節は仰臥位で行う
  • 軽度の筋強剛が見られる時は,対側の手の上げ下げ,回転,計算などの増強法を試みる
筋強剛 rigidity錐体外路徴候.一様な抵抗を生じる鉛管様強剛 lead-pipe rigidity,断続的な抵抗が生じる歯車様強剛 cogwheel rigidity がある.屈曲・伸展のいずれでも生じる.
痙縮 spasticity主に錐体路徴候.筋相動性伸張反射の亢進.緩徐な筋の持続的伸張を加えると,はじめは伸張反射が起こって抵抗が強いものの,だんだん弱くなる(=折り畳みナイフ現象).またこの抵抗は急激に伸展させた時の方が明確になる.腱反射は亢進し,クローヌスもみられる.屈筋または伸筋のどちらか一方の障害で起きる.
間代 clonus上位運動ニューロン障害の徴候.筋肉や腱を不意に伸張したときに生じる規則的かつ律動的に筋収縮を反復する運動.
足間代:アキレス腱が縮んだ状態(脱力して足が下垂した状態)から急に足底を上に押し上げアキレス腱を伸長させると,下腿三頭筋のクローヌスが起こり足関節の細かい屈曲・伸展運動が数回繰り返される.これはアキレス腱の深部腱反射が高度亢進していることと同義.
抵抗症 paratonia診察時に筋力を緩めることができない.無意識に力が入ってしまう.認知症など非特異的な大脳皮質の機能異常.注意が他に向いていれば抵抗がなくなるので,計算をしてもらうなどの工夫で緩和させられる.

筋強剛の身体所見

  • 頚部の筋強剛は頭落下試験 head-dropping testが有用
    • 仰臥位で被検者に閉眼してもらい,検者は他動的に頚部屈曲状態に持ち上げ,急に手を離す.正常はストンと落ちるが,筋緊張亢進では頚部がゆっくり落ちる.
  • 手関節の筋強剛では,signpost phenomenon の確認が有用
    • 被検者は力を抜き,肘をついて前腕を挙上(腕相撲のセッティングの状態),鉄道の信号が上向きにあるように姿勢をとる.力を抜くと,手首ガストンと落ちるが,筋強剛があるとそのまま維持される.両手同時に行なってもらうと左右差が確認しやすい.
  • 体幹部の筋強剛では,膝倒し法 knee tilt method が有用.
    • 仰臥位で被検者に膝を立てた状態になってもらう.検者が膝を持って側方に倒すと,通常は下肢のみが倒れるが,体幹筋強剛があると上半身ごと持ってこられる.

筋緊張の機序

  • 筋肉自体の粘性,弾性,進展性 + 受動的に動かした際の抵抗性
  • 筋伸長反射は錐体路・錐体外路いずれも密接に関わる

参考

pe/ne/muscle_tone.txt · 最終更新: 2022/11/19 by admin

Donate Powered by PHP Valid HTML5 Valid CSS Driven by DokuWiki