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シトリン欠損症 II型 CTLN2
目次
概要
- シトリン欠損症は年齢依存的に2つの病型がある1)
- 新生児〜乳幼児期:NICCD(neonatal intrahepatic cholestasis caused by citrin deficiency)
- 思春期以降:成人発症Ⅱ型シトルリン血症 CTLN2(adult-onset type 2 citrullinemia)
- 常染色体劣性遺伝
- 7番染色体にある SLC25A13 遺伝子の異常(複数報告あり)による.
- 後者の特徴は以下の通り
- くりかえす急性の精神症状・行動異常・意識障害(傾眠〜昏睡),痙攣など脳症様発作
- 腹痛や赤褐色尿を伴う場合には急性間欠性ポルフィリン症も鑑別
- 高蛋白高脂肪食(ピーナッツなど)を好み,糖やアルコールを避ける食嗜好
- 血中アンモニア高値(朝や空腹時は正常のことがある)
- 血中シトルリン高値(アミノ酸分析)
- 脂肪肝
- 脳MRIには特異的異常がなく,診断基準にも含まれない
- 若中年で起きる「よくわからない肝性脳症的なもの」というイメージ
- 顔面や四肢筋力の低下は来さず,失調や病的反射も認めない
診断
- A.臨床症状
- 意識障害,失見当識,急性脳症様症状
- 行動異常,精神症状
- B.検査初見
- シトルリン高値,スレオニン/セリン比上昇
- 全血or血漿アンモニアの上昇
- 血漿もしくは血清シトルリン・アルギニンの上昇
- 血漿もしくは血清スレオニン/セリン比の上昇
- C.鑑別診断
- 慢性肝炎,肝硬変,門脈体循環シャント,シトルシン血症I型(主に新生児〜小児発症),アルギニノコハク酸尿症2)
- D.遺伝学的検査
- SLC25A13 遺伝子両アレル変異の同定
- 末梢血でのウエスタンブロットでシトリン分子が検出されない
- 参考所見
- 膵分泌性トリプシンインヒビター [PSTI] の上昇
治療
- 低炭水化物食,アルギニン補充
- 高アンモニア血症に対してラクツロース,非吸収性経口抗生剤
- これらにてコントロール不十分であれば肝移植も考慮される
dz/mbd/ctln2.txt · 最終更新: 2022/10/08 by admin