meta data for this page
このページの翻訳:
- ja
抗菌薬 Antibiotics
- 「臓器別の好発起炎菌」×「それらに対する 1st line」×「落とせない時の広い empiric cover」は暗記
- まずは初期治療を迅速に・間違いなく行えるようになることが肝要(初期研修で修得すべき).
- 起炎菌確定後の抗菌薬 de-escalation はその都度調べれば良い(急がない).
- 抗菌薬の3原則
- No culture, No antibiotics
- Narrow is beautiful
- Sufficient dosage and duration
臓器別の好発起炎菌と抗菌薬
- ER受診しうる疾患で研修医レベルで押さえておくべきは以下
- 中枢感染カバーは通常のmax量の2倍量投与となるため留意(CTRX 2g*2など)
臓器 | カバーすべき菌体 | 左記を踏まえた empiric therapy |
---|---|---|
市中髄膜炎 | 肺炎球菌 | CTRX + VCM (+60歳以上はABPC) |
術後感染髄膜炎1) | 上記+緑膿菌・皮膚常在菌〜MRSA | CFPM + VCM |
定型肺炎 | 肺炎球菌,肺炎桿菌,モラクセラ | CTRX or ABPC/SBT |
非定型肺炎カバー | レジオネラ | CTRX + AZM,LVFX |
胆道感染 | クレブシエラ | ABPC/SBT |
┗胆道感染ショック | ESBL産生クレブシエラ | MEPM |
尿路感染 | E.coli | ST合剤 |
┗尿路感染ショック | ESBL産生 E.coli | MEPM |
皮膚感染 | 連鎖球菌,黄色ブドウ球菌 | CEZ |
┗NSTI(壊死性皮膚感染) | 連鎖球菌,MRSA | MEPM + VCM + CLDM |
CV感染 | 黄色ブドウ球菌 | CEZ + VCM |
機序別
- βラクタム系:殺菌性・時間依存性で頻回投与必要
- 他の抗菌薬:静菌性・濃度依存性
βラクタム系
ペニシリン系 | ||||
---|---|---|---|---|
PCG | ペニシリンG | iv | MSSA を除いた GPC をカバー | |
アミノペニシリン | PCG + GNRの一部 (E.colli・H.influenzae etc..) をカバー | |||
AMPC | アモキシシリン | po | サワシリン®︎,パセトシン®︎ | 溶連菌,丹毒,ピロリ除菌,梅毒 |
ABPC | アンピシリン | iv | ビクシリン®︎ | 溶連菌,肺炎球菌,E.faecalis,リステリア髄膜炎 |
PIPC | ピペラシン | iv | ペントシリン®︎ | 緑膿菌専用 |
βラクタマーゼ配合薬 | MSSA +嫌気性菌をカバー | |||
AMPC/CVA | アモキシシリン/クラブラン酸 | po | オーグメンチン®︎ | ABPC/SBT の内服 ver. |
ABPC/SBT | アンピシリン/スルバクタム | iv | ユナシン®︎,スルバシリン®︎ | |
PIPC/TAZ | ピペラシン/タゾバクタム | iv | ゾシン®︎ | |
セフェム系 | ||||
第1世代 | MSSA 対策 (皮膚軟部組織・関節・術後感染予防) | |||
CEZ | セファゾリン | iv | セファゾリン®︎,セファメジン®︎ | |
CEX | セファレキシン | po | ケフレックス®︎ | |
第2世代 | 軽〜中等症の腹腔内感染に. | |||
CMZ | セフメタゾール | iv | セフメタゾン®︎ | 嫌気性菌がメインターゲット |
CTM | セフォチアム | iv | パンスポリン®︎ | グラム陰性菌カバーがCMZより広い |
第3世代 | カバー域が広く,多くの標的臓器に 1st 可 | |||
CTRX | セフトリアキソン | iv | ロセフィン®︎ | 肺炎や尿路感染症などの empiric に. |
CAZ | セフタジジム | iv | モダシン®︎ | 緑膿菌専用.グラム陽性菌には殆ど効かない |
第4世代 | とりあえず CFPM を押さえる.緑膿菌カバー | |||
CFPM | セフェピム | iv | マキシピーム®︎ | PIPC/TAZと同等のスペクトラム |
カルバペネム | 最も広域で ESBL産生菌もカバー | |||
MEPM | メロペネム | iv | メロペン®︎ | CFPM + ESBL産生菌カバー.どうしても落とせない時に. |
マクロライド系
- 非定型細菌がメインターゲット.GNR には弱い.
- ペニシリン系アレルギーある人の代替薬
- 小児にも安全.百日咳に適応あり.
テトラサイクリン系
- 非定型細菌をカバーし,内服も可
- 市中感染型 MRSA を含む GPC + GNRの一部
- リケッチアや人畜共通感染症に
ニューキノロン系
- 非定型細菌(特にレジオネラ)カバーで用いる
- 核酸合成阻害作用のため,細胞壁がないマイコプラズマ・クラミジアや細胞内寄生のレジオネラに有効
- もとはGNR用に開発され,緑膿菌活性がある.
- lvfx は Streptococcus sp. にもカバーが広がり通称 respiratory キノロン
- 嫌気性菌には無効.また E.coli 耐性化が問題(尿路感染で適当に使われすぎ?)
- 結核の除外は必須.
アミノグリコシド系
- 緑膿菌を含む GNR のスペシャリストだが,逆に GNR しかカバーしない
- 嫌気性菌・腸球菌を含む多くの GPC に無効
- βラクタム系とのシナジー効果を期待した投与も時に行う
- 腎障害・耳障害に注意
- 1日1回投与で1回投与量は多く投与する.ピーク濃度依存性に効果がある.副作用はトラフでモニタ
GM | ゲンタマイシン | iv | ゲンタシン®︎ | 塗布薬への配合も多いが耐性化が進んでいる |
AMK | アミカシン | iv | アミカシン®︎ | |
SM | ストレプトマイシン | po | トブラシン®︎ | |
KM | カナマイシン | po |
抗MRSA薬
その他
1)
シャント術後など人工物がある場合