内科のメモ帳

ずぼらな覚え書き

ユーザ用ツール

サイト用ツール


med:abx:pipc_taz

PIPC/TAZ

  • ピペラシリン/タゾバクタム|Piperacillin/Tazobactam
  • 通常用量は 4.5g × 3-4回/日;6-8時間ごと
  • PIPC にβラクタマーゼ阻害剤である TAZ を配合(2:1)した製剤
    • βラクタマーゼ阻害により,PIPC のカバー域に加えて MSSA・嫌気性菌に効果を有する
  • 商品名:タゾピペ®︎,ゾシン®︎ 注射製剤.
GPC GNR 嫌気性菌
MRSA MSSA 連鎖球菌 E.faecalis E.faecium 腸内細菌 緑膿菌 ESBL 嫌気性菌
× × △〜○
  • いわゆる SPACE1) ・嫌気性菌を幅広くカバー

適応

  • 院内肺炎,誤嚥性肺炎,腹腔内感染,子宮内感染などで empiric に用いる治療薬の1つ
  • 発熱性好中球減少症に対する第一選択薬の1つ(他に cfpm など)

腎機能調整

CrCl 1回投与量 投与間隔
40~ 4.5 g 6時間ごと
20~40 3.375 g 6時間ごと
0~20 2.25 g 6時間ごと
HD 2.25 g 8時間ごと(透析日は透析後 0.75g 追加投与)

注意点

  • vcm との併用で急性腎障害のリスクが増大するという報告がある
  • ESBL産生菌をカバーするが,敗血症や膿瘍・骨髄炎など菌量が多い状況ではカルバペネム系の使用推奨
  • ほぼ mepm と同等の広域スペクトラムだが,中枢移行性には乏しいため注意

参照

  • サンフォード感染症治療ガイド 2020
  • 感染症プラチナマニュアル 2020
1)
Serratia marcescens,P.aeruginosa,Acinetobacter baumanii,Citrobacter sp., Enterobacter sp.
med/abx/pipc_taz.txt · 最終更新: 2023/07/19 by admin

Donate Powered by PHP Valid HTML5 Valid CSS Driven by DokuWiki