内科のメモ帳

ずぼらな覚え書き

ユーザ用ツール

サイト用ツール


dz:id:hhv6_ecephalitis

HHV6脳炎

  • 骨髄移植の臍帯血幹細胞移植後などに起きる
  • MRIではしばしば左右対称性のMRI以上を認める
    • 近時記憶障害,痙攣重積,意識障害を呈する.
  • HHV-6B の再活性化時期は同じ β ヘルペスウイルスである CMV より早く,移植後 2〜4 週間に集中
    • 移植後約半数〜70%の患者でみとめられるが,必ずしも脳炎をきたすわけではない
    • 再活性化にともなう骨髄抑制(血球減少),肝炎,間質性肺炎など CMV 感染症と類似した様々な臨床像との関連性が示唆される

HHV-6B

  • 本邦ではほとんどの人が小児期に HHV-6B 感染を受ける
    • このとき脳炎を合併することもあるが,成人再活性例の方が有意にCSFウイルス量が多い1)
    • 年長児や成人移植ドナー,移植レシピエントは一般的に既感染者

治療

  • CMV 治療薬のガンシクロビルやホスカルネット, シドフォビルを用いる
    • CMVと同様,thymidine kinase を有さないβヘルペスウイルスであるためウイルスチミジンキナーゼに依存するACVが効かない
    • ホスホトランスフェラーゼを有するため上記薬剤が有効

Tips

  • HHV6 のユニークな感染形式として chromosomally integrated HHV6 がある
    • HHV6 の全ウイルスゲノムが染色体に組み込まれ,生殖細胞を通して子孫に伝播する.2)
    • CMV,HSV,VZVなども垂直感染はするが,生殖細胞経由ではなく通常の経胎盤感染である
  • 小児では突発性発疹の原因ウイルスとして有名
1)
Kawamura Y, 2011年
2)
Rev Med Virol 22:144155,2012
dz/id/hhv6_ecephalitis.txt · 最終更新: 2022/10/07 by admin

Donate Powered by PHP Valid HTML5 Valid CSS Driven by DokuWiki