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クリプトコッカス髄膜炎 CM

  • 発熱や髄膜刺激兆候を伴わず亜急性経過の意識障害のみで発症することがある.
    • HIV患者を肺クリプトコッカスと診断したら,症状がなくても腰椎穿刺を行う(治療薬や期間が変わる)
  • クリプトコッカス感染で βDG が上昇するのは真菌血症を起こした時であり,CMでは必ずしも上昇しない 1)
  • 一般培地で3日程度で生える
  • 血清抗原でも80%以上で陽性となる

髄液所見

  • 髄液所見は正常のこともあり,軽度の単核球増加と軽度の糖の低下のみにとどまることもある
  • 髄液圧は 2/3 程度で高くなる
    • 25cmH2Oより高い場合,連日のドレナージが推奨(ときにシャントやリザーバー留置)
  • 墨汁染色の感度は低い(non-HIVでは50%程度)ため,陰性でも除外はできない
  • クリプトコッカス抗原の感度・特異度はほぼ100%に近いレベルで高い

治療

  • L-AMPH 3-4mg/kg + 5-FC 25mg/kg を1日4回内服,2週間〜髄液培養陰性化まで
    • FLCZ400mg/日による地固め療法を8週間以上
    • その後,FLCZ 200mg/日による維持療法を 6〜12ヶ月以上(HIVではCD4値200以上が6ヶ月続くまで)
    • 初回の L-AMPH はムコールdose(10mg/kg) + FLCZ併用では特に治療期間短縮につながらなかった2)
  • HIV合併CMに対するステロイドのルーチン併用は利益が少ない3)

参考

  • 感染症プラチナマニュアル2020
1)
Med. Mycol. J. Vol.58J. J141-J147, 2017
2)
CID2019; 68:393-401. PMID:29945252
3)
NEJM 2016:374:542-54. PMID:26863355
dz/id/cm.txt · 最終更新: 2022/10/01 by admin

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