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馬尾症候群 CES
- 脊髄円錐上部症候群とよく区別すること
- しばしば重度の腰痛を伴う
- 鞍部の知覚脱失(Saddle anesthesia)をきたすが,初期には他覚的に検出し難いことが多い
- 会陰,外性器および肛門を含む S3~S5 皮膚分節の知覚鈍麻
- 歩行負荷によりしびれ感などが出現し,異常感覚が下肢から大腿に上行する(sensory march).
- また,逆に下降するパターンもある
- 膀胱直腸障害(Bladder and bowel dysfunction):尿道および肛門括約筋の緊張低下による
- 片側または両側の坐骨神経痛タイプの痛み(痛みが全くない場合もある)
- 下肢の筋力低下(しばしば半身不随になる)
- 性機能障害
他覚的所見
- 両側アキレス腱反射 ATR 消失
- 肛門反射 anal reflex消失
- 球海綿体反射 bulbocavernosus reflex 消失
- 歩行障害
- babinski徴候は基本的に陰性
- SLRテストは馬尾障害型の場合には陽性になりにくい(SLRは神経根痛を促す検査である)
馬尾症候群をきたす疾患群
腰椎椎間板ヘルニア | ■ 外側ヘルニア:腰痛+片側の下肢痛(=神経根痛),運動時増悪,安静時軽快が基本. ■ 正中ヘルニア:大きいと馬尾症候群の原因になりやすい.両下肢の高度感覚麻痺+運動麻痺+排尿障害(残尿・尿閉など)が急速に生じる. |
腰部脊柱管狭窄症 | 間欠性跛行を特徴とするが,進行により下肢筋力低下,肛門周囲熱感,排尿障害に至る. |
脊髄/脊椎腫瘍 | 軽い腰痛+下肢しびれ感に始まり,慢性経過をたどって尿漏れや勃起障害が出現する. ただし内臓悪性腫瘍の脊椎転移や病的骨折では急性〜亜急性発症も多い. 馬尾症候群が契機となって腫瘍が見つかる場合もある. |
硬膜外血腫 | 急性〜突然発症の激烈な腰下肢痛が特徴的な onset となる. 抗血栓薬内服,血液凝固異常の検索が必要.非常にまれだが医原性も(脊麻後の硬膜外血腫). |
膿瘍・細菌感染 | 腰痛+発熱が先行.亜急性に進行性に下肢麻痺症状と排尿障害が出現する.糖尿病その他易感染状態,高齢者では注意.血流感染合併も必ず精査する |
外傷 | 腰椎破裂骨折による骨片で馬尾が損傷されることがある.高所転落など高エネルギー外傷のほか,高齢者の後方転倒にも注. |