内科のメモ帳

ずぼらな覚え書き

ユーザ用ツール

サイト用ツール


dz:spine:dish

DISH

  • DISH; diffuse idiopathic skeltal hyperosteosis
  • 1976年に Resnickらが診断基準を提唱1)
  • 前縦靱帯ALLの骨化や側面の両側性骨化をきたす
  • 危険因子としては高齢,男性,肥満,糖尿病,高尿酸など
  • 遺伝学的には後縦靭帯骨化症 OPLLと関連する COL6A1 や IGF-1などが報告
  • DISH患者の大半は無症候性
  • 頸椎にまで及ぶと,嚥下障害,嗄声,誤嚥性肺炎の原因になりうる
  • DISHの約半数にOPLLが合併する
  • 骨折時に転移が生じやすく,神経症状も2〜5倍発生しやすい
  • 通常 OA が生じないような肩,肘,足関節にもOAが生じやすい
  • 前縦靭帯骨化による前方への圧迫で,時に嚥下障害をきたすことがある.
  • C4 髄節障害による 拘束性換気障害の報告例もある2)

Resnickらの診断基準

  1. 4椎体以上の前外側面に flowing と形容されるなだらかな石灰化・骨化が連続
  2. 椎間板高が比較的保たれており,椎間板に vacuum phenomena や終板骨骨化など顕著な変性がない
  3. 椎間関節の骨強直や,仙腸関節のびらん・骨硬化・骨性癒合がないこと

強直性脊椎炎AS との比較

  • ASはリウマトイド因子陰性の体軸性脊椎関節炎
  • 仙腸関節,椎間関節,肋椎関節にも炎症が生じ,骨性強直が生じる
  • ASとの鑑別点は以下3)
  • ASは呼吸器疾患との合併が多い
/ DISH AS
好発年齢 50歳以上 50歳以下
疼痛 まれ しばしば認める
HLA-B27保有割合 2-8% 90%
骨増殖 あり しばしばあり
仙腸関節びらん なし ほぼ認める
仙腸関節癒合 まれ ほぼ認める
前縦靱帯骨化 ほぼ認める まれ
後縦靭帯骨化 ほぼ認める しばしばあり

参考

  • 脊椎脊髄 33 (4):320‒325,2020 DOI
1)
Radiology 119:559-568, 1976
2)
日呼吸会誌, 37(10): 823-828, 1999
3)
Rheumatology(Oxford) 46:1709-1711, 2007
dz/spine/dish.txt · 最終更新: 2022/10/02 by admin

Donate Powered by PHP Valid HTML5 Valid CSS Driven by DokuWiki