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dz:spine:csm

頚椎症性脊髄症 CSM

  • cervical spondylotic myelopathy
  • 臨床的に頚椎症性神経根症と分けて考えることが重要.ポイントは痛みの有無.

髄節症候と索路症候

sc-mohajeri_moghaddams_cc-by4_.jpg ─ CC BY 4.0|Mohajeri Moghaddam, S. et al.1)


  • 頸髄が圧迫されると,白質より中心灰白質の方が障害されやすい(MRIでもT2WIとして顕在化しやすい).
  • そのため髄節症候 ⇒ 索路症候の順で出現する
  • 頸髄の髄節症候
    1. 上肢の感覚障害(後角障害)
    2. 上肢の運動障害(前角障害)
  • 頸髄の索路症候
    1. 錐体路障害(後側索)による下肢腱反射亢進,痙性 麻痺,歩行障害
    2. 脊髄視床路障害(前側索)による温度覚痛覚障害
    3. 後索障害による深部感覚障害
    4. 排尿障害

服部分類

  • 服部ら2)の分類では以下の順で神経症候が進行すると述べている.
  • 服部分類 I 型においては,下肢の症候を伴わないため,神経根症との区別が難しい場合がある
I 型 脊髄中心部障害(上肢筋萎縮,上肢運動障害,上肢反射低下,上肢感覚障害)
II 型 I 型 + 側索部( I型の 症状 + 下肢反射亢進)
III 型 II 型 + 側索部( II 型の症状 + 下肢・躯幹の温痛覚障害)

Tips

  • 無症状者の MRI 画像を検討した本邦の報告によると,年齢とともに頸椎症性変化の頻度が上昇し,60 歳以上の 85% 以上に頸椎症性変化 をみとめ,7.6% で脊髄圧迫をみとめている3).
  • MRI の T2 強調像での髄内高輝度変化の存在は,予後(手術 効果)と関連するという報告と関連しないという報告があり,一定した見解がない4)
1)
Insights Imaging 9, 511–526 (2018) Link
2)
服部 奨, 河合伸也. 頸椎症の臨床診断,整形外科の立場から. 伊丹康人, 西尾篤人, 編. 整形外科 MOOK No.6 頸椎症 の臨床. 東京: 金原出版; 1979. p. 13-40.
3)
J Bone Joint Surg〔B〕1998;80:19-24.
4)
頚椎症性脊髄症ガイドライン2015
dz/spine/csm.txt · 最終更新: 2022/10/07 by admin

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