dz:cns:ale
自己免疫性辺縁系脳炎 ALE
自己抗体 | 臨床型 | 腫瘍合併頻度 | 腫瘍 | 抗体検出 |
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細胞内抗原 | ||||
Hu(ANNA1) | 辺縁系脳炎 脳・脊髄炎 ニューロパチー | >95% | 小細胞肺癌 | WB2) |
Ma2 | 辺縁系脳炎 脳幹脳炎 間脳症状3) | >95% | Testicular seminoma | WB |
GAD | 辺縁系脳炎 小脳失調症 オプソクローヌス・ミオクローヌス | / | 胸腺腫, 小細胞肺癌 | RIA4) |
シナプス受容体 | ||||
NMDAR | 抗NMDAR脳炎 | 女性46%,男性5%程 | 卵巣癌 | CBA5) |
AMPAR | 辺縁系脳炎 | 65% | 胸腺腫,小細胞肺癌 | CBA |
GABAB | 辺縁系脳炎 | 50% | 胸腺腫,小細胞肺癌 | CBA |
GABAA | 脳炎 | <5% | 胸腺腫 | CBA |
mGluR5 | 脳炎 | 70% | ホジキンリンパ種 | CBA |
Dopamin2R | 基底核脳炎 | 無関係 | / | CBA |
イオンチャンネル・細胞表面蛋白に対する自己抗体 | ||||
LGI1 | 辺縁系脳炎 FBDS6) | 5-10% | 胸腺腫 | CBA |
CASPR2 | Morvan 症候群/Isaccs症候群 辺縁系脳炎 | 20-50% | 胸腺腫 | CBA |
DPPX | 脳炎 | <10% | Lymphoma | CBA |
MOG | ADEM | 無関係 | / | CBA |
GQ1b | Bickerstaff型脳幹脳炎 | 無関係 | / | ELISA |
NMDAR脳炎
- 2007年にDalmauらによって報告された脳炎
- NMDAR抗体はIgG1とIgG3
- 女性では50%前後,男性・小児では著しく低い腫瘍合併
- 卵巣奇形踵が大多数だが,縦隔などの奇形腫や肺腫瘍,乳腺腫瘍,精巣腫瘍,卵巣悪性腫瘍,胸腺癌などの報告もある.
- 感冒前駆,精神症状で発症する
- 前駆期 ⇒ 精神病期 ⇒ 無反応期 ⇒ 不随意運動期 ⇒ 緩徐回復期の5期に分けて捉えられる経過は本症に特徴的
- 痙攣重積,口舌ジスキネジアなど多彩な不随意運動を呈する
- しばしは中枢低換気から人工呼吸器装着に至る
- ときに遷延経過をとるが,発症 2年以後から軽快した例もある.
- 治療で約6割が完全回復するが,発症2年以内の再発率は5〜20%と高い.特に非腫瘍合併例で多いが,初回よりは軽症.7)
VGKC-LE
- 亜急性の経過で進行する近時記憶障害や見当識障害
- 両側または片側の側頭葉内側に MRI の信号異常
- 髄液異常はまれ
- 免疫療法への反応性は良好(ステロイド,血漿交換,IVIg)
- 自律神経症状(30~50%):発汗過多,下痢,皮膚色調変化,原因不明の高体温
- 辺縁系症状:健忘,失見当識,てんかん発作をきたす
- 上記に先行して同側の顔面・上肢に限局するジストニア様の不随意運動 faciobrachial dystonic seizures(FBDS) をきたす
- FBDS は情動高揚, 音刺激で誘発され,3秒程度で収まる
- 頻度は平均 1 日 50 回に及ぶ.
- FBDS を呈した例の約 7 割が全般強直間代発作や内側側頭葉てんかんに移行する
Caspr2脳炎
dz/cns/ale.txt · 最終更新: 2023/05/28 by admin