dz:cns:aqp4
抗AQP4抗体陽性視神経脊髄炎
- AQP4はアストロサイトに多く存在する⽔チャネル蛋⽩
- そのため抗AQP4抗体陽性NMOSDでは「補体介在性にアストロサイト傷害」を引き起こす
- 他の自己免疫疾患との合併が多い(SjS,ITP,慢性甲状腺炎)
- 視神経,脊髄以外にも多彩な障害をきたす
- 間脳(視床下部)病変
- バソプレシン分泌過剰(SIADH)
- バソプレシン分泌低下症(中枢性尿崩症)
- 過眠症・二次性ナルコレプシー(オレキシン低下)
- 延髄最後野病変:難治性吃逆や悪心,数日以上持続
- 脊髄炎の前兆症状としてみられることがある
- 視神経炎では水平性半盲をきたすことがある
- 虚血性視神経障害との鑑別が問題となることがある
- 有痛性強直性筋痙攣は脊髄炎の症状として頻度が高い
- カルバマゼピンの内服で対症療法を行う
疫学
- 地域で明らかな有病率の違いはないが,アジア人種で若干多い
治療薬
- 急性期にはステロイドパルス治療,無効時にも血症浄化療法(単純血漿交換,免疫吸着)で改善が期待できる
- 再発予防にはプレドニゾロン
- アザチオプリンの併用が55年通知で可能になった1)
- 以下の抗体製剤は全て「抗アクアポリン4抗体陽性の患者に投与すること」と明記されている
Tips
- NMOSD は視床下部病変を伴うことがある
- 視床下部にはオレキシン産生ニューロンがあり,このオレキシンが低下することで過眠をきたしうる
- オレキシンはノルアドレナリン,ドパミン,セロトニンなどが関与する上行性網様体賦活系,結節乳頭核からのヒスタミン作動性神経系を活性化する作用がある
1)
投与前に当該患者の遺伝子検査を行い「Nudix hydrolase 15(NUDT15)Arg139Cys 遺伝子多型」を保有しているか否かを確認する.投与の可否,投与量などを判断することを目的に,リアルタイムPCR法により「Nudix hydrolase 15(NUDT15)遺伝子多型」の測定を行った場合には,D006-17【Nudix hydrolase 15(NUDT15)遺伝子多型】(2100点)を,当該薬剤の投与開始までの間に「1回」を限度に算定できる
2)
抗 AQP4 抗体は存続するため,薬剤中止時の再発リスクに留意
3)
N Engl J Med. 2019 Aug 15;381(7):614-625.PMID31050279
4)
N Engl J Med. 2019 Nov 28;381(22):2114-2124PMID31774956
5)
Lancet Neurol. 2020 May;19(5):402-412.PMID32333898
6)
pro-B,pre-B,B,活性化B,記憶B,形質芽細胞
7)
Lancet. 2019 Oct 12;394(10206):1352-1363.PMID31495497
dz/cns/aqp4.txt · 最終更新: 2023/05/28 by admin