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dz:aid:rm

リウマチ性髄膜炎 RM

  • Rheumatoid meningitis
  • 典型的な FLAIR,造影T1画像: PMC4011466 #Fig1A/B
  • 関節リウマチの稀かつ重大な神経系合併症
    • 硬膜, くも膜, 軟膜全てに炎症を生じ得る
  • 基本的に長期間の経過のRAで合併する1)とされるが,関節リウマチの罹患期間や疾患活動性に関わらず発症し2),神経症状が先行することもある3)
  • 血液,髄液で特異的な診断マーカーがない
  • 治療はステロイド(mPSLパルス)が経験的に用いられるが,未確立
    • 効果不十分であればリツキシマブやシクロホスファミドを検討する expertもいる4)

症状

  • 脳神経障害・神経学的巣症状が最も多い(50%)
  • 意識障害・高次脳機能障害(38%),痙攣発作(33%),頭痛(23%) と続く5)
  • 髄膜刺激兆候は目立たないことが多い

検査

採血RF, 抗CCP抗体.後者は疾患活動性マーカーとして有用である可能性.
血液検査で炎症マーカーの上昇を認める例もあるが正常も多い
髄液一般所見は非特異的変化にとどまる.細胞数も微増程度.
IL-6活動期に増加するとされるが,急性期に上昇がみられない場合もある
MRI DWIGd 増強効果が消失した後も DWI 高信号は残存していることが多い
病理状態が許せば施行が望ましい.真菌感染や結核感染,髄膜癌腫症,悪性リンパ腫などが除外しきれないことも多いため,ステロイド治療前に施行する.髄膜・くも膜下腔の炎症細胞浸潤(83%),リウマチ結節(56%),血管炎(38%) を特徴とする6).リウマチ結節を認めれば確定診断につながるが,検出頻度は高くない.

参考

  • Neurology. 2014 Apr 29; 82(17): 1564–1565. PMC4011466
  • 臨床神経 2016; 56: 627-632 J-Stage
1)
Rheum Dis Clin N Am 43 (2017) 561–57
2)
Clin Rheumatol 2003;22:475-480.
3)
Neurol Sci 2015;36:1047-1048.
4)
臨床神経 2015; 55: 926-931
5) , 6)
Neuropathology 2015;8:10.
dz/aid/rm.txt · 最終更新: 2022/09/30 by admin

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