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dz:cvd:ci

脳梗塞

  • ischemic stroke,cerebral infarction (CI)

治療

頭蓋内圧降下療法

  • Malignant MCA infarction による脳ヘルニア予防の内科的介入には限界がある.
    • そもそもグリセロールもマンニトールもせいぜい数時間で効果が切れるのであるから,根本的に広範囲脳梗塞で浮腫が強くなる原因があれば,一日数回投与したところで間に合いようがないことは理屈にも合う
グリセロール有効性に関しては日本での少数例の報告に基づく弱いエビデンスしかなく,国際的には controversial.グリセロールの方がICP 低下期間が短いことや,通説に反しrebound effect も起きやすい(グリセロール34% vs マンニトール12%)という報告1)が重視され,UpToDateでは推奨されていない2)
本邦の脳卒中ガイドライン2021ではC推奨.
マンニトール有効性に関し十分なエビデンスがなく,ルーチンの使用は推奨されない3)
本邦の脳卒中ガイドライン2021ではC推奨.
開頭減圧術種々の前向き RCT で有効性が示されている.特に 60 歳以下かつNIHSS 15 点以上,意識障害を伴う症例で 48 時間以内に施行した場合,有意に1年後生存率を改善させることが知られており,強く推奨されている4).重要な点は,減圧術は救命には有用である一方,既に梗塞に至った領域を救出できるわけではないという点である.救命し得たとしても,広範囲脳梗塞に伴う重度の後遺症と向き合って長期的なリハビリや介護を要するということは,術前に家族によく話しておく必要がある.
1)
Node Y et al. Clinical study of mannitol and glycerol on raised intracranial pressure and on their rebound phenomenon. Adv Neurol. 1990;52:359-363. PMID 2118716
3)
Cochrane Database Systematic Review 2007
4)
脳卒中診療ガイドライン2021
dz/cvd/ci.txt · 最終更新: 2022/12/08 by admin

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