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stats:odds_vs_risk

オッズ vs リスク

オッズ

  • オッズは「起きる確率」と「起きない確率」の比(p:1-p)

発症オッズ

$$ \begin{aligned}\text{発症オッズ} &=\frac{\text{発症する確率} \ p}{\text{発症しない確率} \left( 1-p\right) } \\ &=\frac{\text{観測集団内で発症した人数} /\text{全観測対象者数} }{\text{観測集団内で発症しなかった人数} /\text{全観測対象者数} } \\ &=\frac{\text{観測集団内で発症した人数} }{\text{観測集団内で発症しなかった人数} } \end{aligned} $$

オッズ比

/ 発症あり 発症なし
要因暴露あり A B
要因暴露なし C D

$$ \text{オッズ比} =\frac{A/B}{C/D} $$


  • 追跡された集団としての全体数(A+B)や(C+D)がなくても算出可能
    • そのため後ろ向き研究,症例対照研究などでもオッズ比は計算できる
    • その場合,発症オッズの比(A/B:C/D)を求めているというよりは,「曝露オッズの比」(A/C:B/D)を求めていることになる
      • が,たすきがけ法則により,数学的には「発症オッズの比」=「曝露オッズの比」であるため,単に同じ「オッズ比」として扱うことができる
  • なお発症が非常に少ない(A«B,C«D である)場合,オッズ比はリスク比と近似できる
    • ∵ A+B≒B,C+D≒Dと近似できるため
  • 欠点の1つは,数字を直感的に解釈できないこと.
    • たとえば「オッズ比=16」と言っても「リスクが16倍になる」というような直感的解釈はできない.そもそもオッズは「確率の比」であり,オッズ比はそのまた比である(=つまり確率の比の比である)ため.基本的にリスク比より数字が大きくなるという misleading な特性も有する.

リスク

  • リスクは追跡された集団内における発症者の割合(下表における A/(A+B) や C/(C+D))
    • リスク比(risk ratio; RR)はその比

リスク比

/ 発症あり 発症なし 全体
要因暴露あり A B A+B
要因暴露なし C D C+D
全体 A+C B+D A+B+C+D

$$ \text{リスク比} =\frac{A/(A+B)}{C/(C+D)} $$


  • 追跡された集団としての全体数(A+B)や(C+D)が必須(オッズ比との違い)
    • そのため前向き縦断研究(RCTやコホート研究)でなければリスク比は算出できない
    • また,A+B や C+D という“対象集団” の事前リスクによって数字が大きな影響を受ける(分母なので当然)
  • 利点として,端的に確率の比を表すため,数字を直感的に解釈できる(オッズ比との違い)
    • 「リスク比=16」ならば,直感的にリスクが16倍というそのままの意味で解釈できる
stats/odds_vs_risk.txt · 最終更新: 2023/07/09 by admin

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