dz:tt:fat_emboli
脂肪塞栓症
- Fat Embolism
- 骨折あるいはその治療としての髄内処置から 24~72 時間(時には 12 時間~2 週間)で発症する
- 病態は以下が挙げられている
- 血中に遊離した中性脂肪そのものによる肺や全身の毛細血管の塞栓
- 中性脂肪から放出される遊離脂肪酸による組織障害
- 外傷後や手術時に随伴するショックや凝固異常
- 急性に呼吸苦,低酸素血症,頻呼吸をきたし,約半数で人工呼吸器管理を要する.臨床的にARDS と類似し鑑別し難いことがある.
- 多くは神経学的異常(意識障害,痙攣など)をきたす
- ただし多くの症例では一過性のものとして完全に回復するとされる.
- しばしば皮膚の点状出血を随伴する(20~50%)
- 皮膚病変は上半身によく認める(頭部,頸部,前胸部,腋窩,粘膜下など)
- 皮膚の病理学的所見から脂肪塞栓症の確定診断がなされる.
治療法
- 脳脂肪塞栓症は支持的療法のみで大多数が後遺症を残さず回復するとされる
- 予防法としては骨折の早期の非動化や術中の減圧
- 副腎皮質ステロイドの全身投与の有効性などが示唆されている
参考
- 臨床神経 2014;54:648-652
dz/tt/fat_emboli.txt · 最終更新: 2022/10/03 by admin