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dz:headache:hemicrania

片側頭痛 hemicrania

  • 日本語では片頭痛と似ているが,全く違うので注意
    • 英語では migraine vs hemicrania で完全に単語レベルで違う
  • 発作性片側頭痛 Paroxymal hemicrania 〔3.2〕1)
    • 反復性 Episodic paroxymal hemicrania 〔3.2.1〕
    • 慢性 Chronic paroxymal hemicrania 〔3.2.2〕
  • 持続性片側頭痛 Hemicrania continua 〔3.4〕
    • 寛解型 remitting subtype 〔3.4.1〕
    • 非寛解型 unremitting subtype 〔3.4.2〕

発作性片側頭痛 Paroxymal hemicrania

  • 厳密に一側性の重度の頭痛発作が眼窩部,眼窩上部,側頭部のいずれか1つ以上の部位に発現
  • 2〜30分間持続する
  • 群発頭痛と似ているが,毎日5回〜10回の繰り返す短い発作という点で異なる
    • また,男性優位性も見られない(むしろ女性に多い
    • cf. 群発頭痛では,だいたい1日1回(2日に1回〜多くても8回/日)
    • cf. 群発頭痛では,頭痛の持続は15分〜180分
  • インドメタシンが絶対的な効果を示す
  • 反復性:7日〜1年間発現し,この発作期と発作期には少なくとも1ヶ月寛解期がある
  • 慢性:1年間を超えて発現し,寛解期がないか,あっても1ヶ月未満

診断基準

  • 発作性⽚側頭痛 paroxymal hemicrania の診断基準
    • A. B〜D を満たす発作が 20 回以上ある.
    • B. ⼀側性の重度の痛みが眼窩部,眼窩上部または側頭部に 2〜30 分持続する.
    • C. 頭痛と同時に少なくとも以下の⼀項⽬を伴う
      1. 結膜充⾎または流涙(あるいはその両⽅)
      2. ⿐閉または⿐漏(あるいはその両⽅)
      3. 眼瞼浮腫
      4. 前額部および顔⾯の発汗
      5. 前額部および顔⾯の紅潮
      6. 耳閉感
      7. 縮瞳または眼瞼下垂(あるいはその両⽅)
    • D.発作頻度は⼤半で 5 回/⽇を超えるが,これより頻度が低い期間があってもよい
    • E.発作は治療⽤量のインドメタシン2)で完全に予防できる.
    • F. そのほかの疾患によらない

持続性片側頭痛 hemicrania continuca

  • 概ね Paroxymal hemicrania と同様
    • 頭痛と同側の結膜充血,流涙,鼻閉,鼻漏,前額部および顔面の発汗,縮瞳,眼瞼下垂または浮腫
    • 落ち着きのなさや興奮した様子を伴うことがある
  • 上記のうちいずれか一方だけでよいという点が違いの1つ(=落ち着かないだけで基準を満たす)
  • また「3ヶ月を超えて存在し,中等度〜重度の強さの増悪を伴う」のもポイント
  • インドメタシン著効は同様に診断基準に含まれている
  • 寛解型,非寛解型の違いは,1日以上の寛解があるかどうか
    • また,非寛解型では「頭痛は連日性かつ少なくとも 1 年間持続しており,1 日以上の寛解期を認めない」
      • つまり1年以上毎日激烈な頭痛ということである
      • 普通はこの診断がつく前にインドメタシンが入るはず…
1)
カッコ内はICHD-3コード
2)
最低用量150mg/日〜225mg/日
dz/headache/hemicrania.txt · 最終更新: 2022/10/07 by admin

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