1 | 小脳症状 | 診察上,明らかな小脳症状を認める |
2 | 眼球運動 | 下方への垂直性核上性眼球運動障害,または下方への衝動性眼球運動が選択的に速い |
3 | PSP | 発症5年以内に行動障害型前頭側頭型認知症や原発性進行性失語の診断基準を満たす症候 |
4 | 下肢限局 | パーキンソニズムが3年を超えて下肢に限局する |
5 | 薬剤性 | ドパミン受容体遮断薬あるいはドパミン枯渇薬の投与歴があり,その投与量および投与期間が薬剤性パーキンソニズムとして矛盾しない |
6 | L-dopa無効 | 少なくとも中等度の重症度にもかかわらず高用量のL–ドパによる客観的な効果がない,観察可能な反応がみられない |
7 | 皮質性感覚障害 | 明らかな皮質性感覚障害(皮膚書字覚障害,一次性の感覚障害を伴わない立体覚障害),明らかな四肢の観念運動失行,進行性の失語を認める(cf.CBS) |
8 | DAT正常 | 機能画像でドパミン系の節前機能が正常である |
9 | 別の診断 | パーキンソニズム関連づける事が妥当であると判断される,あるいは評価担当の専門医が十分な診断的評価に基づき,PD以外の別の症候群である可能性が高いとの判断 |
1 | 歩行障害の急速進行 | 発症5年以内に,常時車椅子を必要とする |
2 | 運動症状の進行なし | 5年以上運動症状の進行が全くみられない(治療により症状が安定している場合は除く) |
3 | 早期の球症状 | 発症5年以内に,重度の発声障害,聞き取り困難な構音障害あるいは重度の嚥下障害(軟食,経鼻胃管あるいは胃瘻栄養) |
4 | 吸気時の呼吸障害 | 日中あるいは夜間の吸気性喘鳴や頻回の深い吸気 inspiratory sighs(cf.MSA) |
5 | 早期の重度自律神経障害 | 発症5年以内の重度の自律神経障害:起立性低血圧3)または重度の尿閉/尿失禁4) |
6 | 早期の反復性転倒 | 発症3年以内の姿勢保持障害による反復性(年2回以上)の転倒 |
7 | 早期の首下がり・拘縮 | 発症10年以内にしては不釣り合いな首下がり(ジストニア性)あるいは手足の拘縮 |
8 | 非運動症状の欠落 | 罹病期間が5年に達しても,以下のよく見られる非運動症状を全く認めない.睡眠障害(睡眠維持困難による不眠,日中の過度の傾眠,RBD),自律神経障害(便秘,日中の尿意切迫,症候性の起立性低血圧),嗅覚低下,精神障害(うつ,不安,幻覚) |
9 | 説明困難な錐体路症状 | 他に説明のつかない錐体路徴候による脱力あるいは病的反射亢進(軽度の反射の左右差,足底反射での伸展のみの場合は除く) |
10 | 両側対称性パーキンソニズム | 患者あるいは介護者が,発症時に左右差のない両側の症状があったと報告し,かつ診察でも左右差が認められない |
食餌性低血圧 | 食事負荷 ⇒ 消化管ホルモンニューロテンシン分泌 ⇒ 血圧低下,血管拡張 ⇒ 交感神経で代償,となるのが健常者.PDではこのバランスがとれず血圧低下する.経口で糖・炭水化物をとると起きるが,脂質やタンパク質では軽度.ブドウ糖静注では起きにくい.胃からの排出時間が遅いほど血圧低下は軽度. |
signpost phenomenon | 腕木信号現象.肘を突いて前腕を挙上させたまま力を抜くよう指示しても下垂手にならず,指も伸展気味のまま維持される現象.両手で肘をついて脱力してもらうと左右差が検出しやすい.錐体外路症状の 1 つ.あまり海外の文献では見かけない? |
Westphal現象 | Westphal現象は錐体外路性の反射.筋を受動的に短縮させた場合,短縮させた筋に持続的な筋収縮が誘発される現象.前脛骨筋で最も出やすい.rigidity がみられる足関節を他動的に背屈した際に前脛骨筋が隆起する.筋疲労や動作開始の筋出力の遅れとの関連が疑われている |
Rebound phenomenon | Steward-Holmes rebound phenomenonとも.肘関節屈曲位をとってもらい検者が拮抗しながら維持させ,急に手を離すと被検者が自らの胸を叩打してしまう.小脳性協調障害によるとされる. |
MRI | 特異的な所見はない.3T以上の MRI では,T2WI,T2*,磁化率強調画像で黒質低信号を呈するという報告がある |
MIBG心筋シンチ | 心筋への集積低下を認める.感度,特異度ともに80%以上とされているが,偶発LBD,自律神経ニューロパチー合併,3環系抗うつ薬で集積低下するため注意.また,一部の家族性パーキンソン病や振戦優位型では時に集積性条例がある6). |
DATシンチ | 正常加齢でも低下する点に注.SSRI内服中は集積を過剰評価しやすいため注意.黒質線条体系の変性に伴うParkinson症候群(DLB,MSA,PSP,CBDではいずれも黒質ドパミン神経が変性するために,線条体のioflupane集積が低下する.ET,AD,VaDからの鑑別感度は 89%,特異度91%.7).薬剤性パーキンソニズムでは低下しない. |
脳血流シンチ | 鑑別疾患の除外に有用なことがある. |