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医師の大学院進学とお金

  • 医師がPh.D. を活かしたキャリアパスを考えるなら,アカデミアに残るか企業に入るか2択
    • そのゴールを目指すなら金銭的デメリットを飲み込んでも進学価値がある(人的投資)
    • そのゴールを目指さない医師にとっては「足の裏の米粒」になるかもしれない
      • 医師であれば在学中の諸々で 1000万円以上の所得減にはなる.その分の投資をする価値はあるか?と考えてもよいかもしれない
  • 基本的に最終ゴールが臨床なのであれば博士 Ph.D. をとることのメリットは特にない
    • ※)医局関連病院で部長や院長になるためには実質必須としている地域はある

大学院進学で変わること

  • 大学院に進学する場合,常勤勤務医ではなく「学生」という身分になる
    • バイト医として働くことで最低限の生活費は維持できるが,研究しながら土日や夜間の当直バイトを繰り返すことはそれなりに精神も蝕まれる

金銭的マイナス面

  1. 給料が激減する上に授業料(大抵4年で200-300万円)がかかる
    • 収入としては,200万円/年程度の手取り減になるかもしれない.国保代,ボーナス・退職手当の加算年数が失われることなど諸々考えると4年で1000万円-1500万円は確実にマイナス
    • 一部大学では学内で特殊コース(たいてい学内での要面接・要試験)を募集しており授業料免除になったりすることもあるため要確認.場合によっては給料も出る(!).
  2. 社会保険料ではなく国民健康保険料(国保)を支払うことになる.基本的に後者の方が高い.
    • 医師会に加入し医師国保にすれば幾分か金銭負担は減る

メリット

  1. Ph.D.がないと考えられない(考えにくい)キャリアパスが選択肢として増える
    • アカデミア,企業研究職,海外でのリサーチフェローなど
  2. 医局とのコネが濃密になり,同業の知り合いが増える(人脈の形成)
    • 開業やバイト医として生きるときもこういうときのコネが大きかったりする
    • 研究学位興味ありません,マネリテ極振りでバイト医として生きます!というタイプの医師が悪いというわけではなく,一つのライフプランニングとしてありだとは思う.しかしそういう人脈としか繋がりがない状態になってしまうと,長い人生いろんなヘッジがきかないかもしれない.医者であることの最大の強みは「真っ当な医者である」ということであり続けること.「医局でまともに育った人」という経歴や「まともな医者にたくさん知り合いがいる」というコネから得られるものは決して小さくはない(医師10年目などになってからいきなりそういうコネが欲しいと思ってもなかなか難しいかもしれない).
    • そういう意味では金銭的にも元は取れるという話も?
      • ただちゃんとした人間関係・信頼関係を構築できなければむしろ逆効果になる可能性もあるため,気苦労は多い

進学したらすぐやるべきこと

  1. 学割を使いまくること
    • サブスクサービスで学割適応のものを探して全てその設定に変える
      • Windows 365,Spotify,Amazon premium などは学割がきくのですぐ設定変更
    • Apple製品も全般的に安くなる(Mac,iPad,アクセサリー)※ iPhoneだけは安くならない
    • 博物館や映画館,特定施設などで学割が使えたり地域によっては実質無料で入館できたりするところもある
    • 新幹線も安くなる(事前に学務で学割証をもらう必要があるため注意!)
  2. iDeCoをしている場合,積立限度額を上げる
    • 特に市民病院など共済で働いていた場合は12000/月 → 68000/月へと大幅アップ
    • 課税所得を大きく下げられるためバイト医の節税としては有効(もちろん生活貯蓄はある前提)
  3. 健康保険はひとまず任意継続.国保になるタイミングで医師国保にする
    • 1年未満の勤務では継続できないので強制国保
    • 国保の場合,大抵は医師会に入会して医師国保に切り替えた方が月々 1〜2万円安くなる(地域の医師会の規約と国保の保険料をそれぞれ問い合わせること.大学院生は医師会費をまけてくれる支部もある)
      • ただし自分の赴任先での医療費は落としてもらえないという重大なデメリットあり.
      • 持病がある人は普通の国保を継続した方が良いかもしれない.
money/pg.txt · 最終更新: 2023/11/26 by admin

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