目次

抗菌薬 Antibiotics

臓器別の好発起炎菌と抗菌薬

臓器カバーすべき菌体左記を踏まえた empiric therapy
市中髄膜炎肺炎球菌CTRX + VCM (+60歳以上はABPC)
術後感染髄膜炎1)上記+緑膿菌・皮膚常在菌〜MRSACFPM + VCM
定型肺炎肺炎球菌,肺炎桿菌,モラクセラCTRX or ABPC/SBT
非定型肺炎カバーレジオネラCTRX + AZMLVFX
胆道感染クレブシエラABPC/SBT
┗胆道感染ショックESBL産生クレブシエラMEPM
尿路感染 E.coli ST合剤
┗尿路感染ショックESBL産生 E.coli MEPM
皮膚感染連鎖球菌,黄色ブドウ球菌CEZ
┗NSTI(壊死性皮膚感染)連鎖球菌,MRSAMEPM + VCM + CLDM
CV感染黄色ブドウ球菌CEZ + VCM

機序別

βラクタム系

ペニシリン系
PCGペニシリンGivMSSA を除いた GPC をカバー
アミノペニシリンPCG + GNRの一部 (E.colliH.influenzae etc..) をカバー
AMPCアモキシシリンpoサワシリン®︎,パセトシン®︎溶連菌,丹毒,ピロリ除菌,梅毒
ABPCアンピシリンivビクシリン®︎溶連菌,肺炎球菌,E.faecalis,リステリア髄膜炎
PIPCピペラシンivペントシリン®︎緑膿菌専用
βラクタマーゼ配合薬MSSA +嫌気性菌をカバー
AMPC/CVAアモキシシリン/クラブラン酸poオーグメンチン®︎ABPC/SBT の内服 ver.
ABPC/SBTアンピシリン/スルバクタムivユナシン®︎,スルバシリン®︎
PIPC/TAZピペラシン/タゾバクタムivゾシン®︎
セフェム系
第1世代MSSA 対策 (皮膚軟部組織・関節・術後感染予防)
CEZセファゾリンivセファゾリン®︎,セファメジン®︎
CEXセファレキシンpoケフレックス®︎
第2世代軽〜中等症の腹腔内感染に.
CMZセフメタゾールivセフメタゾン®︎嫌気性菌がメインターゲット
CTMセフォチアムivパンスポリン®︎グラム陰性菌カバーがCMZより広い
第3世代カバー域が広く,多くの標的臓器に 1st 可
CTRXセフトリアキソンivロセフィン®︎肺炎や尿路感染症などの empiric に.
CAZセフタジジムivモダシン®︎緑膿菌専用.グラム陽性菌には殆ど効かない
第4世代とりあえず CFPM を押さえる.緑膿菌カバー
CFPMセフェピムivマキシピーム®︎PIPC/TAZと同等のスペクトラム
カルバペネム最も広域で ESBL産生菌もカバー
MEPMメロペネムivメロペン®︎CFPM + ESBL産生菌カバー.どうしても落とせない時に.

マクロライド系

マクロライド系
EMエリスロマイシンiv,po百日咳,非定形肺炎,消化管蠕動亢進
CAMクラリスロマイシンpoクラリス®︎em + H.influenzae
AZMアジスロマイシンiv,poジスロマック®︎cam + サルモネラ・赤痢 + クラミジア.
経口は1日1回.非定型肺炎カバーによく用いる

テトラサイクリン系

テトラサイクリン系
MINOミノサイクリンiv,poミノマイシン®︎
DOXYドキシサイクリンpoビブラマイシン®︎

ニューキノロン系

ニューキノロン系
CPFXシプロフロキサシンiv,poシプロキサン®︎
LVFXレボフロキサシンiv,poクラビット®︎1日1回経口投与,1st choice はレジオネラくらい

アミノグリコシド系

GMゲンタマイシンivゲンタシン®︎塗布薬への配合も多いが耐性化が進んでいる
AMKアミカシンivアミカシン®︎
SMストレプトマイシンpoトブラシン®︎
KMカナマイシンpo

抗MRSA薬

VCMバンコマイシンiv,poバンコマイシン®︎MRSA専用に1st choice
グラム陽性菌はほぼ全部カバー
C.difficileによる偽膜性腸炎の治療にも
LZDレネゾリドiv,poザイボックス®︎MRSA専用.VCMが諸事情により使えない場合に

その他

STST合剤iv,poバクタ®︎,ダイフェン®︎ニューモシスチス肺炎に1stchoice
CLDMクリンダマイシンiv,poダラシン®︎横隔膜より上の嫌気性菌(バクテロイデスなどは耐性化している)
MNZメトロニダゾールiv,poアネメトロ®︎
フラジール®︎
横隔膜より下の嫌気性菌(特にバクテロイデス、C.difficile)
通常のグラム陽性菌やグラム陰性菌には無効
1)
シャント術後など人工物がある場合