目次
皮質基底核変性症 CBD
概要
診断基準
症状
検査
病理
皮質基底核変性症 CBD
上記は病理学的な診断名
臨床症状のみで診断する場合には,CBS;corticobasal syndrome と読んで区別する
名称通り,大脳皮質と皮質下神経核(中脳黒質・淡蒼球)の神経細胞が脱落する
神経細胞及びグリア細胞内に異常
リン酸化タウ
が蓄積する
病理学的には
PSP
や
AGD
同様,4 repeat Tauopathy(4RT)に分類される
臨床的に
進行性非流暢性失語 PNFA
を呈することがある
概要
古典的には以下
中年期以降に発症し,緩徐に進行する神経変性疾患
以下の神経症候に顕著な左右差を認める
大脳皮質徴候:肢節運動
失行
,観念運動
失行
,皮質性感覚障害(皮膚書字覚,コンパスを使った2点識別覚など),把握反応,他人の手徴候
錐体外路徴候:無動,筋強剛,ジストニア,
ミオクローヌス
剖検例の蓄積により,現実には臨床像が多彩であると判明してきた
左右差のない例,認知症や失語が前景にたつ例,
PSP
の臨床症候を呈した例など
両側錐体路障害のため,
仮性球麻痺
を呈することもある
診断基準
改訂ケンブリッジ基準
必須項目
徐々に発症し,緩徐進行
L-ドパ治療の持続的効果がない
1)
大項目(太字)2つ,小項目2つ
運動症状:
無動+筋強剛
,局所性ミオクローヌス,非対称性ジストニア
皮質運動感覚障害:
四肢の失行
,他人の手徴候,皮質感覚障害 or 失算
認知機能障害:
発語および言語障害
(失語・構音障害・失書),前頭葉の遂行機能障害(前頭葉徴候,語彙の流暢性低下,前頭葉機能テスト異常),視空間障害
症状
典型例では一側上肢の「ぎこちなさ」で発症し,非対称性の筋強剛と失行が進行する
錐体外路徴候の中では筋強剛が最も頻度が高い
振戦は
パーキンソン病 PD
と異なり,6~8Hz,不規則でjerky
四肢のミオクローヌスおよびジストニアの出現頻度は半数以下
進行すると姿勢保持障害や転倒
全般性認知機能障害は大脳皮質徴候の中で最も頻度が高い
構音障害、嚥下障害は進行すると出現する
検査
CT/MRI
初期には正常.進行とともに非対称性の大脳萎縮(
前頭葉/頭頂葉
)
SPECT
一側優位性の大脳半球萎縮又は血流低下を認めた場合には,重要な支持的所見.ただし両側性やびまん性に低下することもしばしばある点に留意する
脳波
症候優位側と対側優位に徐波化
病理
大脳皮質表層に
アストロサイト斑 astrocytic plaque
(
画像
)が出現し,本疾患に特異的
アストロサイトの比較的遠位にリン酸化タウが蓄積している像
cf.
PSP
では房状アストロサイト tufted astrocyte を認める
1)
L-dopa 250mg/カルビドパ25mg 1日3回,最低2ヶ月内服