目次

馬尾症候群 CES

他覚的所見

馬尾症候群をきたす疾患群

腰椎椎間板ヘルニア ■ 外側ヘルニア:腰痛+片側の下肢痛(=神経根痛),運動時増悪,安静時軽快が基本.
■ 正中ヘルニア:大きいと馬尾症候群の原因になりやすい.両下肢の高度感覚麻痺+運動麻痺+排尿障害(残尿・尿閉など)が急速に生じる.
腰部脊柱管狭窄症 間欠性跛行を特徴とするが,進行により下肢筋力低下,肛門周囲熱感,排尿障害に至る.
脊髄/脊椎腫瘍 軽い腰痛+下肢しびれ感に始まり,慢性経過をたどって尿漏れや勃起障害が出現する.
ただし内臓悪性腫瘍の脊椎転移や病的骨折では急性〜亜急性発症も多い
馬尾症候群が契機となって腫瘍が見つかる場合もある.
硬膜外血腫 急性〜突然発症の激烈な腰下肢痛が特徴的な onset となる.
抗血栓薬内服,血液凝固異常の検索が必要.非常にまれだが医原性も(脊麻後の硬膜外血腫).
膿瘍・細菌感染 腰痛+発熱が先行.亜急性に進行性に下肢麻痺症状と排尿障害が出現する.糖尿病その他易感染状態,高齢者では注意.血流感染合併も必ず精査する
外傷 腰椎破裂骨折による骨片で馬尾が損傷されることがある.高所転落など高エネルギー外傷のほか,高齢者の後方転倒にも注.

 

参考