臨床的特徴 | 集積地 ATTR Val30Met | 非集積地 ATTR Val30Met |
---|---|---|
発症年齢 | 34.4 ± 6.42) | 64.0 ± 6.4 |
男/女比 | 0.9/1 | 4.5/1 |
浸透率 | 高い | 低い |
家族歴 | よくある | まれ |
表現促進現象3) | あり | 明確ではない |
神経初発症状 | 自律神経症状 感覚障害 | 感覚障害 |
解離性感覚障害4) | よくある | まれ(深部覚と表在覚は同程度の障害) |
病初期の自律神経障害5) | 重度,ADL障害あり | 軽度,ADL障害伴いにくい |
心障害 | 房室伝導ブロック | 心肥大6)をきたしやすい 伝導障害は低頻度 |
神経病理の特徴 | 集積地(若年発症) | 非集積地(高齢発症) |
病初期の障害線維 | small fiber neuropathy 小径線維優位の脱落 無髄線維の脱落 | 障害線維の選択性に乏しい 有髄繊維が病初期から高度脱落 無髄線維は比較的保たれる |
神経アミロイド沈着 | 重度 | 比較的軽度7) |
後根神経節 vs 交感神経節 | 交感神経節により高度な沈着 | 後根神経節により高度な沈着 |
その他臓器への沈着 | 甲状腺,消化管,膵臓,副腎,腎臓 | 心臓・下垂体前葉 |
心臓アミロイド沈着 | 心内膜下に目立つ (⇒心筋萎縮・伝導障害) 変異トランスサイレチンが多くを占める | 心筋全層にびまん性 (⇒心筋肥大) 正常トランスサイレチンが多くを占める |
偏光顕微鏡 | 染色性・緑色複屈折性:強 長い繊維が同一方向に並ぶ傾向 | 染色性・緑色複屈折性:弱 方向性を持たない短い繊維 |
肝移植 | 最も長期的なエビデンスを有する疾患修飾療法.ただしあくまで進行阻止治療.術前症状の多くは残存する.また網膜色素上皮細胞・脈絡叢など肝臓以外から産生される変異型TTRは阻止できない.そのため硝子体混濁や緑内障などの眼合併症や脳アミロイドアンギオパチーなどの中枢神経合併症は発症する |
パチシラン点滴 | siRNA薬.2019- 本邦保険収載. TTRmRNA を選択的に分解する遺伝子サイレンシング(RNAi). |
タファミジス内服 | TTR4量体安定化薬.2013-末梢神経障害, 2019-心アミロイドーシスに本邦保険収載. |