目次

動悸 palpitations

 

Clinical Pearls

動悸の鑑別と特徴

Common

期外収縮 大抵,加齢性か薬剤性
上室性期外収縮(SVPC)ないし 期外収縮(VPC)
上室性頻拍 心房細動(Af)/心房粗動(AFL),房室回帰性頻拍(AVRT)
房室結節回帰性頻拍症(AVNRT),心房頻拍(AT)
洞性頻脈 二次性の頻脈でないか,必ず R/O を(後述)
ベースの疾患がないか?そもそも血圧はOKか?
実はショック shockじゃないか?
薬剤性 シロスタゾール,βstim内服など確認
パニック発作
不安神経症
以前も同様のことがあったか? 同じ様な状況で再発していないか.
エピソードを聴取,傾聴する.しばしば過呼吸を伴う.
ストレスの心当たりなど傾聴する

 

Must R/O

二次性頻脈 ① 発熱,感染症(最多)※ T39度でHR110回が順当「9度で110番」
② 低血糖発作(→簡易血糖測定)
③ 出血性疾患(→直腸診)
④ 脱水(→エコーIVC)
⑤ 甲状腺機能亢進症**(→触診,採血スク)
心室性不整脈 VT,心筋炎,LQTS(QTc>480)は否定必須 ➡ ECG撮像,失神はないか?
心筋虚血 ECGで確認.ハイリスクならTTE,虚血マーカー採血まで
心不全 PAfが増悪因子となり心不全の急性増悪を起こすこともある.
また,肺水腫などによる「胸苦しさ」そのものを「動悸」と表現する人もいる

 

病歴・身体所見

脈を触れる まず最初に.話を聞きながらいきなり流れる様に触れる.
明らかな脈不整などあればその場で「まず心電図を確認しながらお話を聞かせてください」も.可能な環境であれば.
眼瞼結膜 真っ白になってないか(貧血→二次性頻脈)
甲状腺 視診・触診
脱水兆候 口腔内乾燥
心不全兆候 頚静脈怒張,四肢浮腫など

検査

ECG 全例まずおこなう ➡ 心筋虚血,心筋炎,LQTS,WPW,brugada sx,徐脈ベースがないか(徐脈頻脈症候群=3類SSS)
CXR 心不全兆候・肺うっ血の確認
TTE 虚血や心不全を疑う場合は,当日緊急で施行.
甲状腺機能 慢性的にあるのであればスクリーニングで閾値低めの検査でよい
■甲状腺クリーゼ:中枢神経症状+下記より1つ,ないし 中l枢神経症状ナシ+下記より3つ
 発熱(≧38度) or 頻脈(≧130) or 心不全症状 or 消化器症状

帰宅対応/説明

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