目次
効果の異質性
効果の異質性を考える意味
効果の異質性の評価方法
効果の異質性は差のスケールで
効果の異質性
目次
効果の異質性
効果の異質性を考える意味
効果の異質性の評価方法
効果の異質性は差のスケールで
Effect Heterogeneity
Effect modification
同じ薬を飲んでも,個人個人で効果は異なる.降圧薬を飲んで血圧が下がる人もいれば,変わらない人もいれば,逆に上がる人もいる(僅かではあるが)
効果の異質性を考える意味
介入対象を絞って有限なリソースを活用する
介入効果が大きいと思われる人に集中的にリソースを投下する
治療の予期せぬ効果を確認する
平均効果としてはよくても,一部逆効果になっている人がいる.そういう人を落とさないためにも必要
格差への影響の検討に有用
平均的には良くなっているが所得が多い人は非常に良くなっていて所得が低い人は変わっておらず,ということがあり得る.これではむしろ格差を拡大している.
メカニズムへの理解が深まる
特別に有効な層,そうでない層,むしろ逆効果な層を見ることでより見えてくるものがある
治療効果を高める方法への仮説生成
ある治療をより効果的にするとき,別の因子との合わせ技で劇的に効果が高まるということがありうる.そういう要素を確認する.
一般化可能性
の検討
この結果は別の集団にも当てはまるか?
効果の異質性の評価方法
個人レベルでの効果はどうやってもわからない
代用として,サブグループにおける平均的な
因果効果
を見る
つまり Conditional Effect
異質性の話の中では Conditional Average Treatment Effect (CATE) と呼ぶ
CATEの推定には以下の2パターン
演繹的手法(従来型):理論や仮説を元にサブグループ解析を行なったり,交互作用項を含む回帰モデルを使ったりする
帰納的手法(機械学習):50個や100個の変数から高次元な CATE推定を行い,そこから異質性の予測因子を同定して仮説生成する(上記と真逆)
効果の異質性は差のスケールで
Additive scale(差) > Multiplicative scale(比)
リスク比よりリスク差で評価する
男性におけるリスク比 vs 女性におけるリスク比
男性におけるリスク差 vs 女性におけるリスク差
基本的に後者(NNTと同様の考え方)の方が意思決定には有用
しかしロジスティック回帰は本質的に Multiplicative model(オッズ“比”を見るもの)であり,ロジスティック回帰に含める交互作用項も「比のスケールでの効果の異質性」になってしまっているため注意
そこで,二値アウトカムは RERI で差のスケールに直した評価した方が良い