目次
抗MAG抗体関連ニューロパチー
腓腹神経病理
参考
抗MAG抗体関連ニューロパチー
M 蛋白血症患者の中に,髄鞘蛋白であるミエリン随伴性糖蛋白質(myelin-associated glycoprotein:MAG)に対する自己抗体を保有している一群がある
中年以降の男性に多い
緩徐進行性の感覚運動型ニューロパチー
下肢遠位部に左右対称性の感覚障害.表在覚 > 深部覚障害
腓腹神経病理
神経内鞘の大部分の有髄神経に IgM 沈着を認める
炎症細胞浸潤はほとんど観察されない
慢性脱髄
を反映し,軸索径に比較して菲薄化した髄鞘や,異常な髄鞘の折りたたみ folding を認める
一部急性脱髄所見(=naked axonなど)も認める
髄鞘が外側から剥がれる
WSM(widely spaced myelin)
が電子顕微鏡で認める.教科書的には重要な所見
cf.
POEMS 症候群
では髄鞘が内側から剥がれる UML(uncompacted myelin lamellae)を認める
多発単神経障害を呈した非典型例においては,炎症細胞浸潤を認めて通常無効の IVIg が奏功するケースなども一部報告がある
1)
参考
BRAIN and NERVE 71(11): 1315-1319, 2019
1)
Clinical and pathological heterogeneity in a series of 31 patients with IgM-related neuropathy. J Neuro Sci 15: 75 - 80, 2012