目次
遺伝性圧脆弱性ニューロパチー HNPP
症状
病理
遺伝性圧脆弱性ニューロパチー HNPP
Hereditary Neuropathy with Liability to Pressure Palsies
常染色体優性遺伝(AD)
PMP22
〔peripheral myelin protein 22〕遺伝子の1コピー欠失によるものが80%,残りは病的なバリアント
正常な PMP22(野生型 PMP22)はタンパク質合成工場である「小胞体」において合成後,細胞膜表面へ輸送され,神経細胞を保護するミエリンの形成に関わる
cf.
PMP22
遺伝子が重複
することによる
CMT
1A と対照的な疾患
CMT1Aは非常に良く発達したオニオンバルブを形成する慢性脱髄.しかし菲薄化髄鞘は目立たず,むしろ肥厚線維が目立つ.
HNPPでは
髄鞘が過形成
になる
症状
神経幹の圧迫や絞扼によって容易に運動麻痺や感覚麻痺をきたす
特徴的な臨床経過から,そのまま遺伝子検査で診断をつける
運動麻痺・感覚麻痺のエピソードは多くの場合,
可逆性である
病理
神経生検のときほぐし標本では,
tomacula
(局所性のソーセージ様の髄鞘肥厚)がよく観察される
横断面では,非常に髄鞘が「厚い」神経繊維を散見する(
CMT1A
と対照的)