目次
Horner症候群
反射経路
Horner症候群
Horner 症候群の3徴(=交感神経障害)
縮瞳
眼裂狭小(下眼瞼も上がり気味)
眼球陥没(ヒトでは起こりにくいとされる)
同側顔面の発汗低下(加えない場合もある)
虹彩散大筋の麻痺によって
散瞳できないために縮瞳
する
つまり「普通なら瞳が大きなるはず」の薄暗い部屋で観察しなければわからない
cf.
動眼神経麻痺は眼瞼下垂+縮瞳
になる(Hornerより下垂が明瞭)
「額に汗し,目を見開き,瞳孔も大きくなっている状態」は交感神経優位の状態(=仁王様の顔)
「汗をかかず,目蓋は半開き,瞳は点,の状態」は副交感神経優位の状態(=大仏様の顔)
Hornerでは交感神経麻痺によってこの状態になる
開胸術後や胸腔鏡下術後
に同側の交感神経幹を障害することで Horner症候群 をきたすことがある
1)
2)
反射経路
節前線維
C8-Th2
前根 ⇒ 白交通枝 ⇒ 交感神経幹 ⇒ 上顎神経節
肺尖部腫瘍(Pancoast腫瘍),頚部外傷,大動脈瘤,食道・甲状腺・縦隔病変,
医原性(胸腔ドレーン挿入,CVカテ挿入,開胸手術)
節後繊維
上顎神経節 ⇒ 内頚動脈・眼動脈に沿って毛様神経節を通過 ⇒ 眼窩
同側の頸動脈病変,海綿静脈洞の炎症や腫瘍性病変など
中枢路
視床 ⇒ 網様体 ⇒ 延髄背外側 ⇒
C8-Th2
Wallenberg 症候群,多発性硬化症,腫瘍
1)
日臨外会誌 60 (6), 1483-1485, 1999
J-stage
2)
日心外会誌36巻5号: 273-276 (2007)
J-stage