目次
腹皮反射
反射弓
誘発法
参考
腹皮反射
abdominal skin reflex/ abdominal cutaneous reflex / superficial abdominal reflex
N Engl J Med 2014; 370:e29
動画のように,腹皮を爪楊枝などで擦ることで誘発する
20%程度の健常者では出ないが,左右差(低下/消失/易疲労性)や上下差があると病的意義がある
また,加齢や肥満では陰性になりやすい.
2,500 人の非神経疾患における検討では,20 歳代では陰性例は 8.4%,70 歳以上では 58.3%
1)
腹皮反射消失は胸髄レベルの UMN 徴候として ALS 診断基準に含まれる
2)
superficial abdominal reflex を日本語では腹皮反射と呼ぶ
deep abdominal reflex を日本語では
腹筋反射
と呼ぶ
反射弓
皮膚/粘膜反射であるため,多シナプス性の反射である(腱反射は単シナプス性)
末梢感覚神経(肋間神経)⇒ 脊髄神経後根 ⇒ 脊髄視床路 ⇒ 視床 ⇒ 大脳 ⇒ 錐体路 ⇒ 腹筋
大まかに以下のレベルに相当する
上腹部:T6/T7~T9
中腹部:T9~T11
下腹部:T11~T12/L1
誘発法
頭部を挙上して腹筋に軽く力が入ると反射を誘発しやすくなる
座位にして診察する誘発法もある
参考
「腹皮反射と腹壁反射」 脊椎脊髄 32 (1):57‒61,2019
医書jp
1)
J Nerv Ment Dis 131:547⊖549, 1960
2)
ALS 改訂 El Escorial 基準