目次
Adie瞳孔
症状
所見
診断のポイント
対症療法
参考
Adie瞳孔
別名tonic pupil
瞳孔散大+対光反射消失だが,輻輳(近見反射)は可能(対光・ 近見解離)
その際,数秒かかって縮瞳し,数秒かかって散瞳する
いったん縮瞳すると長時間縮瞳 していることから, 緊張性瞳孔 tonic pupil とも呼ばれる
なお
縮瞳+対光反射消失+近見反射正常
が
Argyll Robertson 瞳孔
「Adie瞳孔+
下肢腱反射消失
」を Adie 症候群と呼ぶ
症状
患側眼の羞明を自覚する
ときに遠方から近方を見るときなどに強い毛様体けいれんが出現し眼痛を訴えることもある
所見
安静時には瞳孔括約筋の部分的損傷によりしばしば卵円形の瞳孔となる.
肉眼的には対光反射消失
細隙灯:瞳孔括約筋の部分的な動き(iris streaming),虫が這ったような動き(vermiform movement)
ピロカルピン(コリン作動薬) への過敏反応
1)
調節力に関しては正常例〜障害例,ときに瞳孔と同様に緩慢になるなど多様
診断のポイント
対光・近見解離
緊張性反応
ピロカルピン点眼に対する過敏性
対症療法
羞明に対する治療としては,低濃度ピロカルピン点眼(0.5%ピロカルピン点眼液など)
調節障害には眼鏡使用など
参考
「Adie 瞳孔」 脊椎脊髄 28 (4):344-346,2015
1)
健常者では瞳孔に影響しないような薄く希釈された 0.125%,もしくは 0.1% 液でも縮瞳する