目次
尺骨神経麻痺
Fronmentの紙徴候
肘部管症候群
ギヨン管症候群
尺骨神経麻痺
Ulnar nerve pulsy
絞扼性の機序では肘部管症候群とギヨン管症候群が有名
背側皮神経の障害を後者では認めない
のが重要な鑑別点
Fronmentの紙徴候
健側:母指は基節が軽く屈曲,末節は伸展しながら
指腹で
紙を強く押さえる
患側:母指内転筋が働かないため長母指屈筋(=正中神経支配)が代償的にはたらき母指基節関節が過屈曲
肘部管症候群
疼痛が目立ちやすい手根管症候群と比べ,
ほぼ疼痛が見られない
のが特徴
肘部管症候群の主症状は以下
手の尺側領域の異常感覚(ring finger split+)
小指屈筋の脱力
第一背側骨間筋・小指外転筋の脱力
母指内転筋の脱力(⇒ Fronment徴候)
鷲手変形
肘部管でもギヨン管でも尺側手根屈筋と深指屈筋III/IVはほとんど障害されない
前2者は肘部管内から分枝するが,おそらく深いため?
虫様筋III/IVは「MP関節の屈曲+DIP & PIP関節の伸展」
障害されるが,あまり臨床症状が明確とならない
ギヨン管症候群
手関節部のギヨン管近傍で絞扼されて発症する
部位により1型,2型,3型に分類される
共通点は手背側の感覚が低下すること.これが肘部管症候群との鑑別点
1型:肘部管症候群 - 背側皮枝障害
2型:1型 - 小子球側の運動麻痺
3型:2型 - 母指内転障害,骨格筋障害
1型
手のほとんど全ての運動枝と感覚枝が障害を受ける
手背の感覚が保たれる(手掌側の感覚のみ障害される)点が肘部管症候群との鑑別点
2型
小子球筋群が保たれる純粋運動型(フロマン徴候や骨間筋麻痺は認める).
手掌・手背いずれも感覚は完全に保たれる.
3型
純粋感覚型で,運動麻痺を一切来さない.
手掌側の感覚のみ障害される純粋感覚型.もっとも珍しいパターン.