目次
免疫介在性壊死性ミオパチ─ IMNM
筋病理
治療
参考
免疫介在性壊死性ミオパチ─ IMNM
IMNM; Immune-Mediated Necotizing Myopathy
2004年にMSG/ENMCの診断基準に記載され固有病型として確立された
1)
これ以前は
多発筋炎 PM
と診断された中に相当数包含されていたと考えられる
亜急性に近位筋有意の筋力低下が生じる
高CK血症で,しばしば10000を超え,1000を下回っていることは少ない
若年発症の方が筋力低下が高度で治療抵抗性
の傾向
検出される自己抗体として SRP
2)
抗体, HMGCR
3)
抗体がある
スタチンは HMGCRの機能を阻害しコレステロール値を下げる薬剤である
スタチン内服に惹起されて発症する症例が実在する
重症度は anti-SRP IMNM > anti-HMGCR
嚥下機能低下や頚部屈筋筋力低下,呼吸不全が強く,免疫抑制剤に抵抗性
*で,1〜40%で心筋合併症をみられる)
4)
5)
/
Anti-SRP IMNM
Anti-HMGCR IMNM
statin関連
±
++
小児期発症
±
±
重度の筋力低下
+++
+
頚部筋力低下
+++
+
肩甲部上腕筋力低下
+
+
嚥下機能障害
+++
++
心筋障害
±〜++
-
呼吸不全
+
-
間質性肺炎
+
±
レイノー現象
±
-
皮膚病変
±
±
筋病理
活動性の壊死・細胞繊維を認める一方で,筋内鞘に浸潤するリンパ球はごく少数
非壊死線維を取り囲む多量のCD8陽性T細胞診順を認める
多発筋炎 PM
とは対照的
MHCクラスIの筋線維上での発言も乏しい(細胞膜上では認めうる)
MHCクラスIIの発現亢進は通常みられない
治療
本邦では後方視的データでの報告をもとに,IVIgやステロイドパルス治療が選択される
SRP,HMGCRいずれもステロイド単剤では減量困難であり,初期から積極的な免疫抑制薬併用を行う
参考
「免疫介在性壊死性ミオパチー」神経治療 37: 115-122, 2020
J-Stage
1)
Neuromuscul Disord England:337-345, 2004
2)
signal recognition particle
3)
3-hydroxy-3-methylglutarycoenzyme A reductase
4)
JNNP 87:1038-1044, 2016
5)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/37/2/37_115/_pdf/-char/ja