脊髄性筋委縮症 SMA

I型重症型,急性乳児型.Werdnig-Hoffmann 病.フロッピーインファントで出生し,嚥下困難・呼吸不全を呈する.肋間筋に対して横隔膜の筋⼒が維持されているため,吸気時に腹部が膨らみ胸部が陥凹する奇異呼吸を⽰す.⾆の線維束性収縮がみられ,深部腱反射は消失,⼿の尺側偏位と ⼿⾸が柔らかく屈曲する形の wrist drop.死亡年齢は平均 6~9 ヶ月,24 ヶ月までにほぼ全例が死亡する.
Ⅱ型中間型,慢性乳児型,Dubowitz 病.発症は1歳6ヶ月まで.坐位保持可能となるが,次第に側弯・関節拘縮が⽬⽴つようになる.舌の線維束性収縮,手指の振戦がみられ,次第に側彎が著明になる.呼吸器感染に伴って,呼吸不全を示すこともある.
Ⅲ型軽症型,慢性型.Kugelberg-Welander 病.I,II型に⽐べ症状は軽く自立歩行を獲得する.いが,近位筋優位の筋⼒低下を呈する.1 歳 6 か⽉以降の発症で次第に側弯,歩⾏困難がみられる.
IV型成⼈期以降の発症.SMN1 遺伝子変異も見られることがあるが,孤発性で成人から老年にかけて発症することもある.緩徐進行性で,上肢遠位に始まる筋萎縮,筋力低下,筋線維束性収縮,腱反射低下(LMN徴候).これらの症状は徐々に全身に拡がり,運動機能が低下する.また,四肢近位筋,特に肩甲帯の筋萎縮で初発する場合もある
1)
NEJM 2017;377:1723-1732