目次
急性間欠性ポルフィリン症
他のポルフィリン
急性間欠性ポルフィリン症
浸透率の低い常染色体優性遺伝疾患(AD)
ポルフォビリノーゲン脱アミノ酵素遺伝子の異常による
MRI で PRES に似た白質病変を呈することがある
1)
治療はヘム・ヒトヘミン
軽症時には 10%ブドウ糖を主体に各種ビタミン剤を加え,2-3L 補液
ヒトヘミンはネガティブフィードバックによって肝での ALAS の誘導を抑制し,尿中への ALA および PBG 排泄を減少させる.
2)
鉄過剰投与がないかフェリチンのモニタリングが必要
肝細胞癌の発見のため,年に1-2回は肝臓の画像精査を行う
AIPの臨床所見
思春期以降に発症する.発症は急性のことが多い.
種々の程度の腹痛,嘔吐,便秘(消化器症状)
四肢脱力,けいれん,精神異常(精神神経症状)
高血圧,頻脈,発熱など(自律神経症状)
他のポルフィリン症とは異なり皮膚症状(光線過敏症)はみられない.
検査所見(発作時)
尿中δ-アミノレブリン酸(ALA)の著明増加:正常平均の3倍以上(平均約20倍)
尿中ポルホビリノゲン(PBG)の著明な増加:正常値平均値の10倍以上(平均約90倍)
緩解期にはALA,PBGが高値(正常上限の2倍以上)を示す
遺伝子検査ポルフォビリノーゲン脱アミノ酵素遺伝子の異常を認める.
除外診断:器質的病変を基盤とする急性腹症,イレウス,虫垂炎,ヒステリー,鉛中毒症,他のポルフィリン症
他のポルフィリン
ポルフィリン症には以下がある
急性間欠性ポルフィリン症(AIP)
異型ポルフィリン症(VP)
遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)
δ-アミノレブリン酸脱水酵素(ALAD)欠損性ポルフィリン症
1)
Kuo HC, et al. Karger Publishers 2011
2)
肝胆膵 72 巻 4 号;685-698,2016.04