目次
CJD
遺伝子型
検査
病理
CJD
本邦においてはMM1型が最も多い(コドン129多型が日本人では Met/Metが最多)
VV1,VV2は日本人はほぼゼロと考えて良い
感染症法では
五類感染症
(全数把握対象):診断した医師は7日以内に最寄の保健所に届出義務
指定難病
1)
隔離不要
解剖は以下の手順で行う
原則,脳のみの解剖とする
高感染性組織は焼却可能な紙で包み込み,汚染した紙は焼却
焼却できないものは 1-3%SDS 溶液で 100℃,3-5 分煮沸後,オートクレーブ処理を⾏い感染ゴミとして廃棄
できる限り使い捨て器具を用い,除染後廃棄する
厳密な除染処理ができない器具は,プリオン病専用とする
切り出し標本は蟻酸で処理し,感染性を除去した上で行う
孤発性プリオン病
ほぼすべてが孤発性CJD.ヒトのプリオン病の約8割を占める.
メカニズムは不明.確立している危険因子は加齢.
感染性プリオン病
異常型プリオン蛋白の感染による.ヒト由来乾燥硬膜移植による硬膜移植後CJDが有名.
脳外科での手術歴の有無は確認必須.
変異型CJD(=ウシのプリオン病である牛海綿状脳症の伝播)もここに含まれる.
遺伝性プリオン病
プリオン蛋白遺伝子の生来の変異のためプリオン蛋白が異常化しやすくなり発症.
GSS
2)
,FFI
3)
,遺伝性CJDが含まれる.
遺伝子型
プリオン蛋白遺伝子のコドン129とコドン219には正常多型があり,人によってその遺伝子型が異なる
codon129:日本人では M/M が 91%, M/V が8%, V/V が1%未満.
4)
codon219:アジア人では E/E が9割, E/Kが1割
5)
いずれのコドンにおいてもヘテロ接合の方がプリオン病リスクが低いとされている.
6)
7)
検査
脳脊髄液マーカー
8)
総TAUは著増(保険診療測定可)
14-3-3タンパク増加
異常プリオン蛋白陽性(RT-QUIC法)
採血遺伝子検査:プリオンタンパク PrP遺伝子検査
9)
遺伝性プリオン病 or 孤発性プリオン病の鑑別に有用
また遺伝性であればどの遺伝子変異によるのかを明らかにするために必須
孤発性CJDの中ではどのグループ(MM/MV/VVなど)にあたるのか,予後予測の点でも重要
進行期の脳波検査では周期性同期性放電(PSD)が有名
病理
マクロではびまん性に皮質の萎縮を認めるが,海馬は相対的に保たれる
神経細胞が残っていても,海面状変化(spongiform change)が認められる
小脳の萎縮を認め易い,とくに顆粒細胞層
老人斑のような Kuru斑を認めることがある
PrP抗体の免疫染色
1)
難病情報センター 指定難病23
2)
ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群
3)
致死性家族性不眠症
4)
欧米人では M/V が最多で51%,M/M 37%
5)
欧米人ではほぼ前例E/E
6)
Ann Neurol. 1998, 43: 826-8.
7)
J Biol Chem. 2009, 284: 3603-9
8)
長崎大学が受注
9)
東北大学が受注