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心因性非てんかん発作 PNES
Tips
参考
心因性非てんかん発作 PNES
難治てんかんの鑑別疾患として重要
発症リスクは,女性,知的障害・境界知能,15〜35 歳の若年層
発作形式の特徴は以下
複雑で一定でない
発作中閉眼している,発作中に泣く
持続時間が長い
説明し難い動き(左右で同期しない体の動き,下腹部を激しく動かす,頭や体を左右に揺らす)
発作中の出来事を覚えている
被暗示性により,周囲に人がいる状況で起きやすい
1/3程度,真のてんかん発作も合併していることがあり注意を要する
高度の意識障害が遷延していても,Bell 現象は保たれる(=閉眼した時に眼球が上転する現象。生理学的な協調運動。末梢性顔面神経麻痺では閉眼すると眼裂が閉じないので白い強膜が露出する)
Tips
“The rule of 2s” 陽性的中率 85%
1)
少なくとも1週間に2回以上の発作
少なくとも2回の正常脳波所見
2つの抗痙攣薬に抵抗性
発作を起こす前に他人の発作(てんかん,非てんかん性発作かかわらず)を目撃したことがある人が一般人口の6倍いるという報告がある
2)
被暗示性が強いため,検査技師など人が周囲にいる脳波検査中にも発作を起こしやすい
「脳波検査で発作が出る人が多いですよ」と前もって伝えておくとよい
検査中の発作では時間を測っておく
検査前に何か単語をを覚えておいてもらい,発作後に単語を覚えているか確認する
尿失禁や咬舌(とくに舌尖部)はPNESを否定しない
(十分ありうる)
参考
「心因性非てんかん性発作」 臨床検査 63:150-155,2019
DOI
1)
Eur Neurol 51:153-156, 2004
2)
Seizure 44: 199-205. 2017