目次
急性副腎不全
症状
疑うべき状況
初期対応
参考文献
急性副腎不全
原因不明の難治性ショック,原因不明の意識障害で鑑別に挙げる
特に下記の状況で注意
ステロイド定期内服患者
もともと副腎不全がある患者
症状
悪心嘔吐,下痢,腹痛,全身倦怠感,関節痛,筋肉痛など非特異的.
高K,低Na,低血糖,Eo分画↑などは急性期には顕在化しないこともしばしば.あれば強く疑う.
原因不明のショック
原因不明の意識障害
疑うべき状況
ベースに以下の疾患があれば要注意
ステロイド長期内服
もともと副腎機能不全
Addison病,悪性腫瘍の副腎転移,Cushing病の腫瘍摘出後など
もともと下垂体機能不全
ACTH単独欠損症,下垂体腫瘍,下垂体前葉機能低下(手術,外傷,分娩後出血壊死)
重症敗血症は時に副腎出血を来す
〈Waterhouse-Friderichsen sx.〉.
髄膜炎菌,肺炎球菌,A群β溶連菌で有名.特に脾摘後患者で留意
初期対応
ERでまず ソル・コーテフ®注射用100mg (溶解液付) IV(ヒドロコルチゾンとして100mg)
入院後ヒドロコルチゾン200-300mg/day(持続投与 or 6時間ごと投与)
安定すればコートリル20mg/d 朝15mg昼5mgなど内服に切り替え
もともと内服のある副腎不全患者では主治医に確認する方がよい
参考文献
Adrenal insufficiency(Review) NEJM 1996; 335:1206-1212
PMID8815944
NEJM