目次
頸動脈洞症候群 CSS
血管迷走神経性失神との鑑別
誘発試験
参考
頸動脈洞症候群 CSS
carotid sinus syndrome 頚動脈洞過敏症候群
「立っているときに上を向いたり,背伸びをすると出現する立ちくらみ」
頚部伸展・後屈で頚動脈洞が伸展されると延髄孤束核を介して血管運動中枢を抑制する
心・血管系への交感神経活動が抑制され,低血圧,徐脈
失神を生じることがある
きついカラーやネクタイのために頚部を回旋したとき多く, 男性に多い.
また交感神経の基礎活動が高い高齢者ほど起きやすい.
若年女性の神経調節性失神と異なり,長時間起立は無関係
誘発試験に頚動脈洞マッサージがある
血管迷走神経性失神との鑑別
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頸動脈洞症候群
血管迷走神経性失神
頻度
rare
common
年齢
中高年〜高齢(50歳以上)
若年〜中高年
性別
男性に多い
女性にやや多い
前駆症状
ほとんどなし
高率
家族歴
ほとんどなし
しばしばあり
心疾患合併
しばしばあり
少ない
発作の誘因
頚部回旋,後屈
立位,座位,排尿時
診断法
頸動脈洞マッサージ
チルト試験
誘発試験
ベッド上臥床位で左右別々に甲状軟骨の上縁と下顎突起を結ぶ部位で5秒以内の圧迫
徐脈は2秒後から,血圧低下は18秒後から起こる
3秒以上の心拍停止や収縮期血圧が50mmHg以上低下する例が陽性
参考
岡尚省:自律神経機能検査.第5版,日本自律神経学会(編),文光堂,東京, 2015 : P153
失神の診断・治療ガイドライン 2012 年改訂版